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細胞の音色


”自分の心の声を聞く”

”魂の声に従う”

とはよく使う言葉だ。
私も自分の記事の中でよく使ってきた。

それはとても抽象的であるので、それらのやり方、感じ方は、本人の感覚によるものでしかなく、
それが本当に魂の声なのか、心からの声なのかを、測ることはできない。

それは測るようなものでもなければ、
正解があるものでもない。


だけどあらがえないものだ。
圧倒的で、もうどうしたって、抵抗できない。


それは、「細胞の音」なのではないかと思うようになった。

身体に在る60兆個の細胞が、鳴っている音。

脳の中の思考による働きではなく、
もっと根源的で、原始的な、
自分の身体にある細胞が、奏でている音。

それにはあらがえない。
思考など取るに足らない。


細胞の音はずっと鳴っている。
産まれた時から、美しい音色を奏でている。
それは一人一人違う。

だが成長の過程で、
家庭の中で、教育の中で、
「その音に耳を傾けるな」と教わる。
当然のこととして。

細胞に権限を持たせるのではなく、思考で制圧するように、と教わる。
細胞に権限を持たせることは愚かなことであると教わる。
それが人間の賢さだと教わる。

それがこの世の秩序だと教わる。
その秩序が当然の世界の中で生きる。
そのうちに、細胞の音を聞くことはできなくなる。


細胞の音を聞くことは、理性を軽んじることではない。
思想や哲学を軽んじることでもない。
一人一人の生命の尊厳を守ることである。


細胞の音色は、とても美しいので、
あなたの心を美しくする。

細胞の音色は、とても優しいので、
あなたを安心で包み込む。

細胞の音色は、とても確かなので、
あなたに勇気と希望を与える。

細胞の音色は、
あなたが産まれた時から鳴っているので、
あなたを懐かしくさせる。


その音を聞くことより、大事なことがあるだろうか。

細胞の音色は、
あなたにしか聞くことができない。
それはあなたの内側で鳴り響いているからだ。
あなたにしか聞こえない。


みんなが
細胞の音に耳を澄まし、その音に身を委ね、生きる世界になったら。
どんなに美しいだろうか。

私はそんな世界を見てみたい。
だけどその世界の到来は、もうすぐそこまで来ているのかも知れない。

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