朝比奈秋という人間の生き様
物語は、極寒のウクライナの地で、プラスチック爆弾を身体に仕込む女性の描写から始まる。
朝比奈秋氏の小説、『あなたの燃える左手で』。
私がこの本に興味を引かれたのは、この物語が「分断」や「境界」を扱っていたからだ。
当時、脳科学者であるジル・ボルト・テイラー博士の"TED"のプレゼンテーションを拝見し、私は非常に感銘を受けていた。
左脳の脳卒中で、認知機能・身体機能を失ったテイラー博士の、右脳のみで体感した世界が、なんとも不可思議であった。
これまで多くの人が感覚的には捉え