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会食恐怖症の克服

前回は6歳頃から始まった会食恐怖症について書かせていただきました。
今回は成人し会食恐怖症を克服した経緯について書きたいと思います。



結論から言います。
私が会食恐怖症を克服できたキッカケは、
お酒です。




酒かい!!

と思われた方もいらっしゃることでしょう。
ですがフザけているわけではありません。真面目に言っています。
私はお酒が大好きだったのです。

もっとも、お酒はきっかけのひとつに過ぎません。
様々な条件が重なって、私の食事への恐怖は少しずつ和らいで行きました。


楽しい食事

きっかけとなったのは、二十歳になった当時お付き合いをしていた人とお酒を飲みに行ったことでした。
一応、補足をしておきますが、大好きな彼氏と楽しくお酒を飲んでハッピッピーなどという話ではなく、この方との縁がこの後、更なる奈落へと私を突き落とすのですが、重すぎますのでここでは伏せます。


お酒を飲むお店というのは、賑やかな居酒屋ではない限り、個室だったり半個室だったりします。それに加え、店内の照明は控えめで、落ち着いた雰囲気のところが多く、人目があまり気になりません。

そしてアルコールの力によって、程よく理性が飛び、過度の緊張から解放されるのです。

気を付けていただきたいのは、
これはあくまでも私の体験に基づくものであり、会食恐怖症の方にこの方法をお勧めしているわけではありません。
特にこの方法が適用できるのはお酒の強い方になると思うので、
お酒が弱い方にはお勧めできません。

それと大事なことは、
【信頼している大切な人との楽しい食事】
だと思います。

いくらお酒の力があっても人目が気にならない環境でも、
嫌いな人や、信頼できない人との食事は楽しいものではありません。

一緒に食べる相手、食べる環境、何を食べるか、
そして、それは自分にとって本当に楽しいものなのか。

それらの条件を満たしていれば、その時間を「楽しい」と認識することができます。
少しでも、食べられた、食事が楽しかったという体験をしたことによって、
私の食事への恐怖は次第に小さくなっていきました。
それからは、お酒を飲みに行くのが楽しみになりました。彼氏だけではなく、友達と飲みに行くこともできるようになりました。


現在の私

克服したといっても、まったく苦がなくどこでも食事ができるようになったわけではありません。
今でも外食は緊張するし、誰かと食べること自体もそれほど好きではありません。

ですが昔のように、喉が閉じて飲み込めないことや、吐き気をもよおすことは無くなりました。
そして、小学生の頃に一口も食べられなかったラーメンを、今は一人前を残さず食べられるようになりました。
普通のことかもしれません。
でも私にとってはとてもとても大きなことです。


会食恐怖症に悩む方へ

今回は私の体験を書かせていただきました。
会食恐怖症といってもその症状は人それぞれですし、専門家ではないので無責任なことは言えないのですが、
食事を心から楽しめる瞬間を大切な人と共有することができれば、
その瞬間が会食に対する不安や恐怖を和らげていってくれるのではないかと私は思います。

そしてどうか、食べられない自分を責めないでください。
あなたが悪いわけではありません。
あなたがおかしいわけでもありません。
ご自分を大切にしていただきたいです。


最後に

母は今でも、私が会食恐怖症であったことを理解していません。
あの時の母の無理解が、私と母の溝をますます深めたことは言うまでもありません。

信頼している大切な人との楽しい食事が、小学生の頃の私には無かったのかと思うと、少し胸がキュッとします。
あの頃の私に会いに行って、
「大丈夫だよ、心配いらないよ」と、優しく背中を撫でてあげたいと思う今日この頃です。


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