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【第二の人生】51の章:霊は死ぬ時の状況を色んな形で訴えてくる

*登場人物*

  • 萬里→主人公の主婦ですが、お役目持ってます。日常が、毎日が霊対応の修行中で気を抜くヒマがありません。

  • H氏(おじじ)→リーマン能力者(本物)萬里のお役目を伝え、修行のサポートしてくれてるんですけど、詰めが甘いというか、「手ぇ抜いてない?」な感じがしている萬里です。


次の日も、熱は下がらないまま
病院へ行くべきかどうか迷っていた。

でも、H氏に会わなければ
答え合わせができないし、
実際病院へ行ったとしても
どうせまた『風邪』で
終わらせられると思う。

一日横になって
H氏の仕事が終わるのを待とう。

目を瞑れば同じ映像が
繰り返し何度も流れる。

夜になり
サクヤさん宅へ向かった。

萬里「昨日の今日でこんな立て続けに
高熱出すことなんて今までなかったですよ!
相手の訴えがわからないから
何て言葉をかけていいかも分からない上に、
一晩中同じ映像を何度も視せられるのとか
耐えられません!」

H氏「身体に影響が出るのは
しょうがないんです。
亡くなった人が自分の苦しみを
解ってもらいたくて、
亡くなった時の状態を体験させたり
同様の症状で心情を
理解してもらおうとするので。
萬里ちゃんは本来
身体に入れる方ではないのですが
まだ、
悪坊主の術も解けていないし、
今は毎回身体に入られてる状況なので
症状が重たいんだと思います。
でも、人間の身体は
自分で免疫力を上げたり調整したり
『自己治癒力』というものを
本来は身に付けています。
だから、人間の身体は最低でも
年に一回は毒素排出のために
嘔吐下痢や高熱を
出したりするべきなんです
それが人間の持つ本当の力です。
みんな病気をすると
身体が弱ってると思いがちです、
確かに免疫力が落ちている場合もあります。
でも、高熱や嘔吐下痢で症状として
表に出せる身体は本当は強いんですよ。
熱も出せない嘔吐も下痢もせず
身体に溜め込んでいる人の方が
排出力が弱く
身体的には問題があると言えます。」

萬里「こんな状態、
萬里にとって良い事だと
思えないんですけど?!
このペースじゃ、
年に一回どころじゃないでしょ?!
で、この男性は何を訴えてるんですか?
萬里はただかわいそうだな
と思っただけで、
怖くて気の利いた対応もなにも
する余裕はありませんでした。」

とにかくキツイ
どうにかして欲しい。

H氏「今回、
私の方でも対応はしてますが、
この男性
“萬里ちゃんを頼ってきている”
という事は私の対応は
望んでいないんです。
最初の頃にあった、
萬里ちゃんが追い返してしまったと
思っていた女の子も、
萬里ちゃんに
気付いてもらえなかったので
しょうがなく私のところへ来ました。
そうなってはじめて
私が対応することになります。」

萬里「え~!
なんで何も理解できない
萬里のとこへ来るんですか?!
その意味がわからない。」

H氏「萬里ちゃんが
供養できる人間だからです。
萬里ちゃんが視た男性は
事故後のそのままの姿です。」

萬里「でしょうね。
血まみれで腕がもげてました。
けど、反対の手で腕を押さえる
動作をしていたので
本人は腕がないとは思って
ないんじゃないかと思います。」

H氏「はい、突然の事故で
混乱しているようです。
萬里ちゃんが視た
ビルなどの都会の街並みが
逆さに視えた映像も、
車のライトが自分に向かってきたのも
その方が最期に見た景色です。」

萬里「萬里、
朝倉に居たんですけど、
そこには映像で見たような
高いビルなんかないし、
歩道橋もなかったし
どう見ても東京のような
都会の光景でしたよ?
それに歩道橋上で
車が迫ってくる状況って
おかしくないですか?」

H氏「そうですね。
亡くなる前の状況ですが、
一連の状況を順番通りに
拾い上げてなかっただけです。
自殺ではなく
不慮の事故なんですが、
何があったのかわかりませんが
歩道橋の上から道路に転落して、
そのまま走ってきた車に
轢かれたようですね。
それで、亡くなったのは東京ですが、
その方の実家が朝倉のようで
実家に帰らなきゃと思って
戻ってきたようなんですが、
朝倉まで来たものの事故のショックで
実家を思い出せず彷徨っていたんですね。」

萬里「あ~!そういえば
お店のオーナーさんが
数日前に関東まで仕入れに
行ってたって言うてました!
もしかしたらその時、
憑いて帰って
きちゃったんですかね?」

H氏「そのようです。
亡くなって困ってる方々は
助けてくれる人が
居る所へ来るために、
色々な手段を使います。
そして、
朝倉までは帰って来たものの
家を思い出せず
フラフラしている時に、
店主を経由して対応できる人
『萬里ちゃん』を見つけ、
自分の元へ来るように
操作されていたとも言えますね。」

萬里「ところで、萬里非常に
キツいんですけど(; ̄ェ ̄)
まだ居るんでしょ?」

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