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【第二の人生】68の章:触覚が磨かれる中、視覚に訴えてきたのは・・・

*登場人物*

  • 萬里→主婦なんですけどお役目持ってるんで、修行中です。あらゆる感覚を使って霊との意思疎通を図るのです。

  • H氏(おじじ)→リーマン能力者(本物)萬里の霊対応相談窓口。


これ(虎)以降、
触覚タイムは違う形に変化した。

次は触覚(痛み)で相手の状況を見分け、
把握し応じた対応をする事だ。

何かが来た?!と思う前に
手の指のどれかが痛くなる、
それで察知。

はじめは、
死人が亡くなったときの状況を
訴える痛みかと思っていた。

だけど、それが一日に何度も
代わる代わる違う指に移動する。

萬里は布団に入った時以外は
頼ってきた死人をまだ完全に
把握する事ができていない頃。

これについては、
H氏に頼らず自分で感じ取り
状況を把握できるように
練習してみようと思った。

ちいさんは相変わらず
『イタコ』のように身体を貸し与え
死人の言葉を代弁する。

ここはちいさんと協力して
探っていく事にしよう。

萬里「う~、小指が痛い。
何が来たんだろう?」

ちいさん「小さな子供の感じがするけど?」

萬里「わかった!そのつもりで対応してみる。」

時間をおいて、
萬里「あ~、今度は中指。」

ちいさん「成人男性の気がする。」

萬里「そう言われれば今回は臭いがする!
男性ね、何が心残りなのか
聞き出すのに集中してみる!」

しばらくすると、
萬里「ねぇ、ちいさん。今度は親指が痛いよ。」

ちいさん「ん~、中年?
とにかく中年男性の気配を感じるよ。」

萬里「あ~、なるほど。
男性の加齢臭がする・・・。」

こんなやり取りを数日間続けた結果、
五本の指のそれぞれ意味する『者』が
訪れた時にそれに応じた指が痛くなると判断。

  • 小指→子供・赤ちゃん

  • 薬指→成人女性

  • 中指→成人男性

  • 人差し指→母親

  • 親指→父親

単純にどこが痛い、
という訴えではなかった。

ある程度対応が落ち着いた時点で
H氏にメールした。

H氏「そんなパターンもあるんですね。」

萬里「パターン?私らみたいなのの
一般的なやつではないんですか?」

H氏「少なくとも私はないです。
みんな同じ感じ方ではないので、
萬里ちゃんにとってわかりやすい
訴え手段なのかもしれないですね。」

数日後、
今日は朝から嫌な気分
萬里の周辺だけ
『下水の臭い』が立ち込めている。

何者か来ているのなら
他の感覚にも呼びかけがあると思うんだけど。

朝方、布団の中で視た映像は
表に植え込みがあるマンション。
その目の前に駐車場らしき広場。

ふと、瞬間移動、
雑木林が近くに見え
そこにマンホールの蓋がある。
マンホールの蓋を開ける際に
引っかける小さな穴から
なぜかマンホールの中を覗いていた。

マンホールの中は真っ暗なはずなのに
その状態がきれいに見える。

『あ!マンホールの中の下水に
小さな男の子が浮いてる!』

6~7歳くらいの男の子、
浮いているがまだ息がある。

『助けなければ!』と萬里は慌てたけど
浮遊中で実際の身体は無いし、
それがどこなのかも分からない。

『どうしよう、どうしよう』と
慌てているところで目が覚めた。

その時から
萬里の周りは下水臭で溢れている。

『あの男の子は
今引きあげればまだ助かる!
H氏にすぐ連絡しなければ!』

萬里「H氏!こんな映像見ました!
場所がよく分からないんですが、
今助ければあの男の子は助かります!
どうしたら助けられるんですか?」

H氏「あぁ、
萬里ちゃんも視たんですね・・・。」

萬里「え?H氏も視たんですか?」

H氏「私は、あのマンホールに
投げ込まれるまでの経緯を
追いかけてました。」

萬里「え?んなら、
何で助けなかったんですか?」

H氏「萬里ちゃんと同じく『浮遊』で
追っていたので実際の身体は無いんです。
だから手を差し伸べる事はできませんでした。」

萬里「なんで?!どういう経緯であの子は
あんなところに浮いていたんですか?
H氏視たんでしょ?」

H氏「はい、私は子供担当なので
主に子供の生き死にに関わっています。
あの男の子は親からの日常的な
虐待に耐えかねて逃げているところを
親に追いかけられ、
その親は捕まえた男の子を自らの手で
マンホールの中へ投げ込みました・・・。」

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