【第二の人生】52の章:血塗れの死人を見るのはやっぱり怖い
*登場人物*
萬里→主婦でお役目持ってて、修行中ですけど、連日尋常じゃない体調の悪さ。現在、腕がもげた血まみれの男性の対応中。
H氏(おじじ)→リーマン能力者(本物)萬里にお役目を受け入れさせ、一人前になるまでのサポートをしているが、まぁまぁスパルタ。
H氏「はい、居ますね。
状況を把握した上で、
まずどう供養してあげるべきか
萬里ちゃんが思うように
対応してみてください。」
萬里「頭回らないんですけど?!
これ自分だけでやんないと
いけないんですか?」
H氏「私も後ろで
援護しているので大丈夫ですよ。
萬里ちゃんが対応して、
どう反応するかを見たいのもありますし
少しがんばってみてください。
とにかく対話です!」
ひとまず、
横になったまま話しかけてみる。
男性の状態をよく見てみた、
髪はふんわりとパーマで
もげた腕は肘から先、
そして歩道橋→車のライトの映像
と同時に男性の叫び声が聞こえる
ここまで男性の最期の光景を視ているのに、
自分がなぜか彼の顔を
見てないことに気付いた。
何度か急に目の前に顔が現れたことがあるが
その形相に目が行き、
怖くて視線を合わせるという事ができていない。
H氏「萬里ちゃん、
きちんと視線を合わせて
会話してますか?」
萬里「怖いですもん!
目なんか合わせられないです。
状況を見るだけで精一杯です。
怖くてまともに目なんか見れない!」
H氏「表情を見るのは大事ですよ。」
萬里「H氏は最初から怖くなかったんですか?
身内とかなら怖くはないと思うんですけど
他人で、しかも血まみれとか
絶対無理!怖いです!
でなくても、
今まで視えてなかったものが
こんな突然視えるようになっただけでも
いっぱいいっぱいなのに。」
H氏「私は慣れました。
目の前に突然出てきて
びっくりすることはありますが、
怖くはないですね~。
慣れです慣れ!
萬里ちゃんもそのうち慣れますよ!」
萬里「え~っ!慣れって・・・。
体調も普通じゃ無いのに
簡単に言わんでよ〜(;´д`)」
こんなありえない様相した霊に
どんだけ出会えば慣れるんだ?!
あ~もう、
この男性なんて声かければいいんだろ?
萬里はまだ高熱のまま、
あの手この手で色々なことを話しかけてみる。
『あなたはもう苦しまなくていいんですよ。』
『気持ちを落ち着けて、帰るべきところへ帰りましょ。』
『身体はもうないし、ご両親も
きっと理解してらっしゃいますよ。
気持ち落ち着ければご自分のお家も
きっとわかるはずです。』
『天に帰ってください。』
ん~、
いまいち居るのか居なくなったのか
自分で判断ができない。
萬里「あ!そうだ!
H氏が作ってた形代は
使えないんですか?」
H氏「ん~、
使えないことはないんですが
萬里ちゃんは、
また別の術具を使うみたいなんですよね~。
なのでここは対話で乗り切りましょ。」
あ、まだ居るんだ・・・。
しかも、H氏また何か知ってるのに
隠してる・・・。
萬里「もう!
たいがいキツイんですけど
熱が下がってる気もしないし
身体起こすのもツライ。」
H氏「『天に帰りたまえ』という言葉を
萬里ちゃんはこれから使ってください。」
萬里「わかりました、
今からそれをひたすら唱えます。」
もう、会話も億劫
横になったまま目を瞑り、
男性の様子をうかがいながら
ひたすら唱え続けていると。
突然、
その暗闇の中に
白い龍が現れ光と共に
血まみれの男性を
ス~ッと連れ去った。
え~!!!???
萬里は飛び起きた。
萬里「H氏!今!
白い龍が出てきたんですけど!!
どっから来たんでしょうかっ?
男の人居なくなりましたよ?!」
なになに?!
((((;゚Д゚)))))))
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