「よりみちコピーライター」というアカウント名に込めた思い
こんにちは、シノです。秋も深まり、寒さが本格的になってきました。「今年は例年に比べて四季をちゃんと感じる」というツイートを見かけたのですが、みなさんはどうですか? コロナ禍で人、企業、社会のリアルな動きが制限されたことは、地球にとってはほっとできる時間だったのかもしれないですね。
さて、今回は「よりみちコピーライター」というアカウント名にこめた思いを書こうと思います。
「出会わせる系」職業
コピーライターって、何のためにいるんだろう。ずっと考えてきました。気の利いたフレーズを生み出すため? サイトのアクセスを上げるため? これは業務ではありますが存在意義とはちょっと違う…。
わたしはこう思っています。商品とお客さんを出会わせるためにいる、と。出会わせる系職業です(怪しい)。遠いところにいる商品とお客さんを最短距離で出会わせる。そのための「ことばを考える」、もっと言えば「ことばを中心に考える」のがコピーライターではないでしょうか。
この仕事に近道はない
大事なことがあります。「ことばを中心に考える」作業には、近道がないということです。前述したように、コピーライターはお客さんと商品を最短距離で出会わせるためにいるので、己のすべてをそこに費やします。天才的なコピーライターはたくさんいますが、そんな人たちでさえ、この道程を「脳に汗をかく」「自分の才能のなさとたたかう」「生みの苦しみ」と表現しています。
コピーライターを何年かやって身にしみました。近道を楽に見つけることはできないんだって。でも、行き止まりにぶちあたっても、回り道しても、進んでいけば出口はかならずある。だったらいっそ、前向きに寄り道しよう!と思い始めました。404(not found)だって、道ですしね。
糸井重里も、より道主義
さん、を付けるべきなのですが、歴史上の人物みたいな気がして…(織田信長さん、て言いづらいみたいな)。1989年のコピー年鑑を見ていたら、こんな広告を見つけました。
西武百貨店の広告です。80年代と言えばまさに広告の黄金期。ことばのリズムやわかりやすい語り口など今でも非常に勉強になります。実際に文字を打っていて(これも“写経”でしょうか?)ちょっと泣きそうになりました。すごいなぁ。普遍的なことばは、それ自身が意図していないところへも広がる力を持ち、時代を超えてひとの心を打つのですね。
コピーライターの全員が全員、まっすぐエリート街道を歩けるわけではないと思います。クリエイティブはシビアな世界だから。でもより道して見えてくるコピーライター人生も、おもしろくて豊かなものではないでしょうか。
よりみち人生は、続く
最後にハギと一緒に考えたアカウント名のボツ案を紹介します。名付けることは、道をつくること。たくさんの「ボツ道」との別れがありました。この中のどれかになっていたら、きっとまたべつの道をわたしたちは歩いたのだと思います。
こう並べるとやっぱり、よりみちコピーライターが一番しっくりくる気がします。
みなさん、これからも一緒によりみちしながら、どうぞよろしくお願いします。
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