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文章の落とし穴、予測変換から脱出せよ

スマホやパソコンの予測変換はとても便利な機能ですよね。数文字打つだけで、すぐに単語を提案してくれます。

慣れればすばやく簡単に文章を書けるようになりますが、落とし穴があることは意外に知られていません。

それは「予測変換のまま言葉を使ってしまう」こと。

予測変換の落とし穴

こんな文章を目にしたことはありませんか?

是非御来店下さい!

「是非」「御来店」「下」と6文字連続で漢字。お店のホームページやチラシでよく使う言い回しなのでギリギリ読めますが、さすがに漢字が多すぎます。

予測変換でサジェスト(提案)されたものを見直さずに、なんとなくそのまま使ってしまっているのです

なぜこうしたことが起きるのか? スマホやパソコンで文字を打っているからです。手書きなら、「是非」や「御」など画数の多い漢字を続けて書かないはず。

必要以上に漢字を使っている文章は「カタい」です。言い換えると「読みづらい」。ねらいがある場合を除いて、漢字の使いすぎは推敲していない雑な文章というイメージを与えます。

では、こちらはどうでしょうか。

是非ご来店ください!

御来店を「ご来店」にしただけで、心地よいリズムが生まれて読みやすくなりました。

さらに親しみやすさを出したい時は、「是非」をひらく(ひらがなにする)手もあります。

ぜひご来店ください!

3つを並べてみましょう。

是非御来店下さい!
是非ご来店ください!
ぜひご来店ください!

漢字とひらがなのバランスで、ガラッと印象が変わってきますよね。個人的に目がいくのは最後だと思います。

普段からメールを送る時やチャットで会話する時に、予測変換そのままでOKか?漢字の使いすぎで読みづらくなっていないか?と見直してみてください。

第三者が気づきをくれる

以前、あるチョコレートの新聞広告を担当した時に、商品の細かな情報(カカオの産地など)のコピーを書く機会がありました。

代理店のコピーライターに見せたところ、こんなダメ出しが。

「文章がぜんぶ重い」

原因は、もらった資料の言葉をそのまま使っていたことでした。まるで予測変換でつないだように。

「この言葉は本当にわかりやすいだろうか? 読みやすいだろうか?」と検討しないで、コピーを書いてしまった苦い経験です。

誰かに何かを伝えるための文章なら、できるだけ第三者にチェックしてもらいましょう。自分ではスルーしてしまうことも、気づかせてもらえます。

そこで、先ほどの「是非御来店下さい」の文について先輩コピーライターにも聞いてみました。

「”ぜひご”ってひらがなが続くのが嫌だから…是非ご来店くださいにする」

なるほど!と思いました。漢字の使いすぎだけでなく、ひらがなの続きすぎも読みづらくなりますからね。

添削で個性は出てくる

でも第三者の意見を聞いてばかりいたら、文章から個性が失われてしまうのでは? わたしもそう思っていた時期がありました。

安心してください。添削されて消えていくのは没個性な部分です。他者のきびしい目にさらされる時に、「どうしてもこの表現を使いたい/使いたくない」と譲れないものが出てくる。それが個性です。

例えば、先輩と違ってわたしなら「是非ご来店ください」とはせず、「ぜひご来店ください」と書きます。「非」という文字が冷たい気がするから、漢字にしたくないのです。なんとなくをやめて、理由を持つ。それが自分の文章に個性を出すことにつながります。

今回のまとめ
✔︎ 予測変換そのままにしないで推敲しよう
✔︎ 第三者に文章をチェックしてもらおう
✔︎ 添削して個性を見つけよう

この記事がお役に立てたら嬉しいです。

ほかにも、コピーライターが実践している文章テクニックを公開しています。ぜひ読んでみてください!

アンニョン〜👋


文:シノ

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