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わたしがコピーライターを目指すきっかけになったキャッチコピー

どうも、ハギです。

広告業界に住まう人々が認める名作コピーの数々はもちろん素晴らしいのですが、自分の心に刺さったコピーは別にあるものです。

今回は、わたしが広告業界にふわっと憧れを持つようになったコピーと、コピーライターという職業を知るきっかけになった、2つのコピーについて考察を交えて書きたいと思います。


女の子が「1001のバイオリン」を歌うのはずるい

1つ目は、earth music&ecology(アース ミュージック&エコロジー)のキャッチコピーです。

あした、なに着て、生きていく?(児島令子)

今から10年くらい前のCMです。宮崎あおいさんがTHE BLUE HEARTSの名曲「1001のバイオリン」を大きな声で歌いながら歩く姿がなんともエモい(気になる人はYoutubeとかでググってみてね)。

数あるアパレルブランドの中から「自分はこの服を着るんだ」という女性の意思決定。日々消費され続ける服に対して問いかける哲学。コピーからはそんなメッセージを受け取りました。

今でこそ人気アパレルブランドとしての地位を築いていますが、わたしは当時のCMを見るまで、earth music&ecologyを知りませんでした。

それもそのはず。AdverTimes.の記事によるとCMの放送後、20〜30代女性の認知度が50%も上がったそうな!

当時のテレビの影響力すごい!と思いつつ、写真にこのコピーをつけて広告風に加工するアプリまで出ていたので、20〜30代女性以外の認知度もすごかった。

服そのものの見た目や雰囲気以上の価値がCMによって吹き込まれ、世間に広く知られただけでなく、企業のブランディングにも大きな影響を与えたと思います。

CMを見た当時はここまで考えていませんが、漠然と広告っていいなと思ったのでした。


ランドセル背負って小学生に戻りたくなる

2つ目は、2009年に毎日広告デザイン賞で最高賞を受賞した小学館のキャッチコピーです。

第1部/広告主課題の部 最高賞・経済産業大臣賞 小学館「小学一年生」 30段カラー

こくご、さんすう、りか、せかい。(坂本和加)

最後の「せかい」に、このコピーの意図することがすべて詰まっていると思います。

国語・算数・理科と教科を分けてしまうと、木を見て森を見ず状態になりますが、すべてを満遍なく学ぶことで世の中、つまりは世界の見方が広がっていく。勉強することの本質をこの1行で考えさせられます。

多くの人は勉強という言葉は堅苦しくて好きじゃないと思いますが、このように違った目線から表現するとスッと入ってきませんか。コピーライターの仕事って、まさにこんな役目なんです。

この作品はコピーだけでなく、デザインの写真にも思わず心を掴まれます。ランドセルを背負って野原を駆け抜ける少年、なんだか幼き頃に戻りたくなります(遠い目)。何より、コピーとデザインの掛け合わせがとてもよくできています。

わたしは広告賞のサイトを見るまで、広告に出てくる言葉はデザインも含めて同じ人が担当していると勝手に思っていました。広告の言葉を専門で考える人がいるとは!とちょっと驚いたことを覚えています。


誰かの記憶に残れば、名コピー。

他にも好きなコピーはあるのですが、よりみちコピーライター・ハギの原点になっているのはこれだなぁと振り返ってみて思います。

好きだから覚えているのは当たり前なんですが、有名なコピーは広告にそこまで興味のない人も口にしていたりするので、なおさらすごいと思います。それも、何年も前のものでも。

コピーライターはアーティストではないので、企業や商品とは別にコピーだけが有名になって一人歩きするのはどうなの?という意見を聞いたこともありますが、誰かの記憶に残る、語り継がれるという点においては宣伝文として大成功じゃないでしょうか。

たくさんの人じゃなくても、誰かの記憶に残るコピーが書けたらいいなぁと思います。

それでは、また。

文:ハギ
@よりみちコピーライター

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