餃子づくりからみる、夫婦の家事分担
週末の餃子づくりはわが家の定番家事だ。
月に1,2度、夫とふたりで餃子50個をつくっているため、その作業は慣れたもの。あ・うんの呼吸でとんとんとんと事が進む。
まずは餡をつくる工程。ここに私の出番はない。
「白菜よりキャベツが好き」
「野菜のザクザク感は大事」
「餡はしっかり味つけする。砂糖は気持ち多めに」
「肉はとにかく混ぜる。ブレンダーを使うとよい」
わが家の餡職人・夫は、この10年間「どうしたらもっと美味しくなる?」とトライアンドエラーを重ねてきた。この先も、彼なりの自己ベストを追求していくことだろう。
一方、私の家事に対する姿勢は、「より簡単に・より速く」片づけてしまうこと。包む作業は任せてほしい。
ここからは、夫から私へと選手交代。
さあ、餃子50個包み競争・タイムトライアルの時間だよ!
粛々と皮をテーブルに広げはじめた私にむかって「そのやり方は『きのう何食べた?』のシローさんと同じだね」と夫がちゃちゃをいれる。
シンクで洗い物をする夫と雑談しながら、ちゃきちゃき手を動かしてまず30個。
「じゃあ、子どもたちとお風呂に入っちゃうね」
食器を洗い終えた夫が、5歳3歳を引き連れてお風呂へいく。晩ごはんが餃子の日は、家族みんなが結託して一直線に目的(餃子)へと進む。
そうこうしている間に、残り20個も完成。
お風呂場からは、子どもたちの『パプリカ』が聞こえてくる。ずいぶんご機嫌な様子なので、あがるまでまだかかるかな?
餃子にふんわりラップをかけて冷凍庫にいれておくことにした。部屋に置いたままだとベトベトになっちゃうので。
全員がお風呂をすませたのち、わが家の餃子づくりはクライマックスをむかえる。
ここからはまたしても夫の出番。食卓のホットプレートで一気に餃子を焼きあげる。
火の加減・お湯の量・油の回しがけタイミング、などなど。
夫のことだから、そのひとつひとつに経験から導いた最適解があるんだろうね。
とか考えているうちに、すっかり餃子が焼きあがった。
🍺 🍺 🍺
共働きのわが家だけど、「誰がどの家事を担当するか?」といった家事分担はとくに決めていない。そのかわり、生活をともにするうえでお互いぼんやりと気をつけていることがある。
それは、「一方が家事をしているときは、もう一方も残っている家事をする」ということ。
まあ、そうなると得意/好きなほうの家事へと自然に手がのびるわけで。
夫は、餃子の餡に工夫を重ねているように「質」が分かりやすい家事にやりがいを感じるという。気がつくと「料理」や「掃除」は夫の出番が多い。
一方で、私は「洗濯」や「片づけ」を好む。「いかに効率的に終わらせるか?」を摸索する作業は、せっかちな私にむいているみたい。
『餃子づくり』ひとつとっても、お互いに家事の好みがはっきりでて面白いね。
そんなことを話ながら、夫婦でビール片手に餃子をつついた。
ちょっと面倒に思える家事だって、ふたりでやると案外楽しいのだ。
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