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胎動を感じながら瞑想する正産期のはじまり。

妊娠37週目。いよいよ「正産期」にはいった。

あと数週間後(数日後?)で、アレだ。アレが、陣痛がやってくる。
うーん。実感がわかないなぁ。

わが家には4歳・2歳の子どもがいる。

そのため、出産の不安やお腹のなかの子に思いを巡らせている時間は、あまりなく。

「あそんで。あそんで。」「もぅっかぁーい(もう一回)!」「グミ~」「アメ~~」な要求に答えたり、スルーしたりしているうちに、あっという間に一日一日が過ぎていく。

* * *

本日は、妊婦検診だった。

37週にはいったので、今回から、赤ちゃんの心拍と子宮の収縮状態をモニタリングする「ノンストレスチェック(NST)」という検査も加わった。

受付をすませると直ぐ、モニターとリクライニングチェアがあるだけの個室に通される。

「どうぞ座って、リラックスしてください」と看護師さん。手際よく、私のふくらんだお腹にベルトを2つ取り付けた。

「このまま40分間、じっとしていてくださいね」「あ。胎動を感じたらこのボタンを押してください」「何かあれば、ナースコールはコチラです」

看護師さんは、矢継ぎ早にそう言い、私の手にボタンのついた器具を握らせて部屋を後にした。

* * *

ひとりになり、そっと目をつむる。

個室には時計の針の音が響いている。外からは微かに、熱弁をふるうお医者さんの声や、忙しそうにパタパタとあるくスリッパの音が聞こえる。

昨夜は子どもと寝落ちし、そのまま朝までたっぷり寝たので、睡魔はない。

「ヒマだな、スマホでも見れたらな」と思いつつ、いちど深く息をはくと、お腹のなかがポクンっと動いた。

「僕は、ここだよ」

そう、主張するような赤ちゃんのキックだった。

うん。そうだね。毎日忙しくって、胎動を感じているヒマもなかったけど、実は、こんなに元気に動いてたんだよね。

ポン、ポン、グィーーーン

そういえば、妊娠中なのにあまり君のことを考えていなかったね。ごめんごめん。ずっと一緒にいたのにね。これから、NSTの時間は2人っきりで過ごそうか。

こころの中で、そう話しかけると、ボッゴゴンとひときわ大きくお腹が動いてから、静かになった。

* * *

「はーい。終わりでーす」

扉がガチャっとあく音でハッと意識が戻った。いつの間にか、ちゃっかり寝てしまったみたい。

深く息を吸い込んでから、少しずつはき、お腹に手をおいた。

君と2人。40分の瞑想タイム。

あと、何回できるか分からないけど、また来週もよろしくね。

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