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【先生の自由研究】〜学校におけるリーダーシップの研究(3章)〜

夏休みも残すところ9日。いよいよ終わりが見えてきました。
子どもたちと会えるのは楽しみですが、まずは生活リズムをもとに戻さないと辛い毎日が容易に想像できてしまうので、明日こそは早起きを意識したいと思います。

さて、この自由研究の記事も第3章となりました。
一応4章構成で考えているので、今回の記事を終えるとあと1記事。夏休みが終わるまでには、なんとか書き終えることができそうなペースですね。

こちらの記事からご覧いただいた方は、「まえがき」〜「2章」を先にお読みいただけると嬉しいです。


3章 リーダーシップを育て、発揮せよ

2章では、「学校におけるリーダーシップ」と「担任、職員室の一員としてリーダーシップの発揮の仕方にどのような違いがあるのか」についてまとめました。
「リーダーシップは学習可能である」という考え方をもとに、この3章では、「どのようにリーダーシップを育んでいくか」に焦点を当てていきたいと思います。

1.リーダーシップ教育とは

リーダーシップ教育について考える上での前提として「新しいリーダーシップの考え方」を確認しておきたいと思います。

1.リーダーシップは全員が発揮する(できる)ものである
2.リーダーシップは陰から支える行動も当てはまる
3.リーダーシップは学習可能である

2章までに触れてきたように、リーダーシップはリーダーだけが発揮するものではなく、「リーダー」と「リーダーシップ」は別物であるということがポイントです。

これまでには、リーダーとしてのリーダーシップを開発するという目的から、管理職(になる人)向けのリーダーシップ教育が盛んに行われてきたようです。
しかし、先ほどの考え方からも、近年ではなるべく早期から時間をかけてリーダーシップを学んでいくことが推奨されているようです。

ここで、リーダーシップ教育の定義を確認しておきたいと思います。
今回の自由研究を通して参考文献としている『これからのリーダーシップ』を書かれた立教大学の舘野先生によると、以下のように定義されています。

リーダーシップ教育とは「効果的なリーダーシップを発揮するために、個人の能力・資質・行動の向上を目指すこと」

そして、その概念モデルとして示されているのが以下の画像。

左にある4つの資質・能力を高めることがリーダーシップ行動につながるとされています。そしてこれらの資質・能力は講義などの座学のみではどうしても身に付きづらいということが言われています。

そこで近年注目されているのが、「リーダーシップをリアルな現場で発揮し、その行動を他者からのフィードバックをもとに振り返る手法」である経験学習型リーダーシップ」と呼ばれるものです。

リーダーシップについての知識を高めるだけでは実際に行動するまでの距離が遠く、自分に合ったリーダーシップ行動がどのようなものなのかがわからないという問題があるからです。

私自身、いわゆる「リーダー」タイプではないと思っていたので、いきなり「リーダーシップはだれでも発揮できるものだから、こういう風に発揮するといいよ」と言われてもですよね…

だからこそ、自分に合った「リーダーシップ」の発揮の仕方がどのようなものなのかを「経験」を通して実際に理解していく必要がありそうです。

2.学校現場でどのように育むか

では、その「経験」を学校現場でどのようにデザインすると良いのでしょうか。

ヒントとなりそうなのが、経験学習型リーダーシップ教育を設計する際の以下のポイント。

1.リーダーシップを発揮するしかない状況を作り出す
2.そこで発揮されたリーダーシップ行動をフィードバックの素材として、振り返りを通して自身の成長につなげてもらう

一つ目の「リーダーシップを発揮するしかない状況を作り出す」を自分自身の経験で捉えてみると、初任校2年目に運動会の運営を任せてもらったことが思い浮かびました。

当時は6年生を担任していたこともあり、なかなか重めの仕事を任せられたことへの不安が大きかったのを覚えています。ただ、全体指揮を任せられたことで一気に当事者意識を高めることができたのも事実。
実施計画の提案の仕方、全体のスケジュール管理、各係への仕事の割り振り・確認…etc
初めての経験を通して「リーダーシップ」を育てることができたのではないかと、振り返ってみて感じます。

そう考えると、大事にしたかったのが二つ目の振り返り。
より丁寧に行うことで、さらなるリーダーシップの育成に繋がったのではないかと感じます。

自分自身の振り返りについては、日々のリフレクションを通してやってきたつもりですが、「リーダーシップ」についてを意図的に振り返ることができていたかというと答えはNo…

それに加えて大事だけど難しいと感じるのが「フィードバック」
個人的に先生という職業はクラスで過ごす時間が多く、個人でいる時間が多いのでフィードバックの文化が少ないと思います。(他の職業もそうかもしれませんが、特に2年目からは自分自身でフィードバックをもらいに行かない限り難しい…)

自分に合った「リーダーシップ」を見つけるために必要な自己理解・自己認識。
この記事ではあまり深く取り上げることができませんが、「自己理解は自分だけでは完結しない」というポイントを考慮すると、やはり経験した後に自分で内省するだけでなく、いかに他者からのフィードバックをもらいにいけるかということが大事になっていきそうです。


以上、この記事ではリーダーシップ教育の考え方をもとに、学校現場においてどのようにリーダーシップを育て、発揮するかについてまとめてきました。

個人的には、記事の中で触れた「運動会の運営」や「体育主任としての経験」、「働き方改革プロジェクトの推進」などを通して、少しずつですがリーダーシップを育んできたように感じています。

ミドルリーダーとしてよりリーダーシップを発揮してくためには、それらの経験に加えて、他者からのフィードバックをもとに内省することがこれから必要なアクションとなっていきそうです。

さて、次の4章でこの自由研究も一区切り。ここまで書いてきた記事を通して考えたことをまとめていきたいと思います。

今回も最後まで読んでいただき、本当にありがとうございました!!
次回の更新もお楽しみに!

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