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先生が身に付けるべきなのは時短術ではなく、「仕事」をデザインする力である?〜『先生が知っておきたい「仕事」のデザイン』を読んで小学校教員が考えたこと〜

わからないことがわからない

これは、初任時代に仕事を進める中で自分が感じていたことです。

教師として仕事を進めていく上で、授業自体は自分自身が生徒として経験してきたこと、そして教育実習で体験してきたことを通して、なんとなくイメージができている。
しかし、教師になって初めて授業以外の業務量の多さに圧倒されました。

週案、学年(学級)だより、会計…
毎週のように繰り返されるタスクに加え、毎日降り掛かかる事務作業。
何から手をつけていいのかわからず、やっと授業の準備を始められたたかと思うと、とっくに定時を過ぎている。
特に1年目は、毎日のようにそんな日々を過ごしていました…


今回紹介する書籍は『先生が知っておきたい「仕事」のデザイン〜教師1年目から1年間の見通しがもてる思考法〜』です。
私が初任時代から今に至るまで、相当お世話になっているブログ「あお先生の教育らぼ」を運営する、青山雄太さんが執筆されたもの。青山さん(以下、あおさん)とは、とあるイベントで声をかけさせていただいたことをきっかけに、これまでリフレクションの伴走をしていただいたり、ライティング講座をはじめとする様々な学びの場でお世話になってきました。

12月に発売を開始したこの書籍。あおさんが「直接届ける本企画」として、直接手渡しで購入させていただけるということだったので、前から行きたいと話していた銭湯に一緒に行き、受け取ることができました。

本のサブタイトル「教師1年目から1年間の見通しがもてる思考法」にもあるように、初任者を中心とする若手に読んでほしい一冊。自分も大学の後輩用にと、あおさんから2冊購入し、先日渡してきたところです。今回の記事では、自分の体験なども加えながら書籍のおすすめポイントをお伝えできればと思っています。


1.仕事のデザイン

書籍のタイトルでもある「仕事のデザイン」
後ほど紹介する「仕事に追われない先生を目指す3つのステップ」という言葉を見ると、働き方改革の文脈で語られる時短術のようなものを連想しがちですが、本書では単なる時短術だけではなく、先生としてより良く働くためのアイデアが書かれています。

あおさんは、毎日楽しそうに仕事をする先生と、辛そうに仕事をしている先生とを分けるものこそ、この「仕事のデザイン」ができているかどうか(仕事の仕方が確立されているかどうか)だと書かれています。
具体的には①ビジョンを持てているかどうか、そして②仕事の道筋を描けているかどうか、が大事になってくるようです。

それらができている先生こそ、自分の仕事の舵を自分で取って主体的に仕事ができるている先生であり、前に進んでいる感覚をもって毎日を過ごすことができていると状態と言えます。

2.「仕事のデザイン」 3つのプロセス

では、「仕事をデザイン」ためのポイントはなんなのか。
本書では、3つのプロセスとして次のことが書かれています。

①ビジョンを明確にする
②たくさんの道筋を描く
③継続的に実行する

①ビジョンを明確にする」では、日々迫り来る問題を解決することの注力するのではなく、まずは自分が生み出したいものにフォーカスを当てることが必要だと言われています。
「自分の成し遂げたいものは何?」、「ボクらが生み出したいことはなんだろう?」という問いに答える作業です。

「日々の授業、放課後の仕事でそれどころじゃないよ!」というツッコミも聞こえてきそうですが、何としてでもこの時間は確保したいところ。
私の経験からすると、信頼できる他者(友達でも同期でも先輩でもいいので)と一緒に考えることがおすすめです。

②たくさんの道筋を描く」は、柔軟性をもち、考えては試し、実行しながらまた考える、を繰り返し行うことです。

私自身、この部分が結構弱め。
選択肢(アイデア)をたくさん持っておくこと。最終的に選んだ選択肢をもとに、絶えず振り返ること。そうすることで精度が上がってきそうです。

③継続的に実行する」は、①→②を通して選択したものを毎日継続できる形に落とし込んで実行していくことです。

計算力を上げるために100マスかけ算をする。
振り返りの力をつけ、繋がりを生むためにジャーナルを書く。

こういったものが、毎日のように継続するからこそ力がついていくということは、誰でも理解できることでしょう。しかし、私もそうですが、「時間がない」などの理由を並べてやらない日が出てきたり、習慣として根付く前に自然消滅してしまったりという経験があるのではないでしょうか。

①〜③のプロセスを通して、ビジョンをもとに教室の文化を作っていく必要があると感じさせてもらいました。

3.コラム「車を走らせながら考える」

個人的に響いたのが、「車を走らせながら考える」というコラム記事。
助手席で誰かが運転しているところを見ているだけでなく、実際に自分で車を運転するからこそ気づくことがたくさんあると書かれています。

今思うと、私の初任時代は完全に助手席にいる時間が長かったように思います。良くも悪くも、学年主任の先生をはじめ、手取り足取り教えてくれる先輩に甘えていた部分が多かったのです。
授業や学級経営を進める上で、そこに本当の自分はいなく、「こうやるといいよ」という教えを忠実に再現できるか、そんなことを意識していたような気がします。

そうして2年目に壁にぶつかることになります。
本当に自分がやりたいような指導と、実際にやっている指導とが乖離してしまっていることに自分自身がモヤモヤしている。案の定、子どもたちとの関係も良くなっていくはずはありませんでした…

自分がちゃんと先生としてのハンドルを握る
そうすることで、ベクトルがしっかり自分に向きます。私も偉そうなことは言えませんが、他責ではなく、自責モードで内省に繋げることができると、先生としての成長スピードが上がっていくと感じています。


おわりに

あおさんから本を受け取って早1ヶ月。
ようやく記事にしてアップすることができました。

今の私が形作られているのは、間違いなくあおさんから影響が大きいです。
そんなあおさんが出版した初の書籍。
ぜひ、皆さんも読まれてみてはいかがでしょうか。下にAmazonのリンクを貼り付けておきますので、よかったら覗いてみてください。

最後までお読みいただきありがとうございました。


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