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セックスレスと不妊治療

もうこれはほんと、
社会現象みたいな話のひとつじゃないかな。



「不妊治療してから
セックスレスになりました」

みたいな話は。


不妊治療に至ったはじめの話は
こんな風に書いたけど、

ずいぶんあとになってから
元夫に不妊治療中の心境を聞いた時、

この一言を聞けて、

私はよかったと思った事がある。


「あの時は、作業になっていた。」って。



30までにこどもを産みたい。

だからそれまでに結婚したい。


特に、
その先のイメージはなかったけど
ここまでの願いは叶ってた。


あれ・・・?

でも、どうやら私は
【30過ぎたのに、妊娠できない】?



結婚3年目、

30歳を過ぎてから
どんどん毎日が憂鬱になった。



結婚したら
家族が増えるもの。

結婚したら
こどもを産むもの。


あたりまえだと思ってた
それができない。



美容師をしていた当時の私は、

毎晩11時ごろに帰宅して、

手っ取り早く酔える
ストロングチューハイの500を1本飲んだ後、

ワインを1本弱開け、

2時ごろに
泥のようになってソファで寝落ちする

そんな毎日を送ってた。


自律神経も乱れまくりで
体もキンキンに冷えてたし、


今思うと、

軽い鬱で、アル中だ。




仕事が終わるのが遅い夫は、

そんな寝落ちした頃に
帰ってきたり、来なかったり。


とにかく、寂しかった。

ずっと、ずぅっと、
寂しかった。



結婚したのに、いつもいない。

結婚したのに、こどもができない。

結婚したのに、触れてくれる人がいない。



寂しいって素直に言えば
まだ可愛いのに、

「寂しい」って素直に言えない分、

日々の不満を
怒りにしてぶつけたし、


本当は寂しいくせに、

意地はって強がって
傷ついていないふりをした。


ただでさえすれ違い生活なのに
わざともっとすれ違って、

喧嘩する事さえも避けていた。



「寂しさ」や、

泣いたり喚いたりする
醜い自分と

向き合うのが嫌だったから、

一切、弱い自分を見せる事が
できなくなった。


それはきっと相手だって同じ。


本来は、
頼って甘えたら

喜んでくれただろう
優しい夫の

素敵なところは発揮する場がないし、

夫自身も弱い部分を見せる事が
できなくなっていたと思う。


そんな頃に
不妊治療という「手段」を選んだ。


不妊治療よりも先に、

「寂しい」事を
伝えればよかったのに。


だから、
セックスがただの「作業」になった。


今になって思うこと。



あの時
私が欲しかったのは、

こどもじゃなくて、

夫と過ごす「時間」が
欲しかっただけだったんだ。





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