【社会人インタビュー】”学生の人生”をサポート。ーキャリアセンター職員の”キャリア”
“世の中”を知り、自分の未来を考える。中央大学キャリアセンター公認団体「世の中理解塾」は、この言葉をモットーに中大生向けの様々な企画を進めてきました。今回から、社会人へのインタビューやキャリアに役立つコラム記事などを発信する「世の中理解塾note」を導入! 第一回目の記事では、中央大学キャリアセンターで働く、佐藤さんと高橋さんにインタビューを行いました。キャリアセンター職員とはどのような職業なのか、お二人が持つキャリアプランや社会人として生きていく中で大切にしている軸は何なのかなど、質問を通してキャリアに関するお話しを伺いました。
“人生”のサポートを行うキャリアセンター職員。
―キャリアセンター職員とは、どのような職業なのでしょうか。
佐藤さん)キャリアセンター職員は、学生の就職活動や人生をサポートしています。キャリアセンターは就職活動のための部署というイメージを持たれがちですが、人生を長い目で見た時に就職活動は1つのフェーズにすぎません。そのため、さらに先のキャリアも見据えたサポートとして、就活を意識始める3、4年生の支援だけではなく、1、2年生のうちから将来を考えるイベがントや取り組みも行っています。1番大切にしているものは、「卒業していく学生の気持ち」「学生の満足感・納得感」です。もしかすると、ここが内定率UPや大手企業に就職させるといった目標を持ちがちな就活塾などと異なる点かなと思います。つまり、かっこいい言葉で言うと、「学生一人ひとりの夢を実現させるサポート」を行う部署で働いているのが、我々キャリアセンター職員だといえます。
―内定率のUPや大企業に就職するといったサポートだけではなく、人生そのものをサポートする役割を持っているということなのですね。
佐藤さん)仰る通りです。
―そんなキャリアセンター職員になるにはどうすればよいのでしょうか。
どのような過程があるのでしょうか。
高橋さん)年によって選考フローなど変わってくるので参考程度になるのですが、自分の場合はコロナ渦の影響もあり、例年と比べ採用のスケジュールが後ろ倒しになっていました。中央大学のインターンシップに参加していた学生の選考が6月にあり、私の選考は8月にありました。内容としては、面接が3回ほどありその間に適性検査やWEBテストを受けました。あまり他の企業と変わらないですね。学校法人中央大学に就職するような形になっています。
―佐藤さんの時も、同じような形でしたか?
佐藤さん)同じです。一般的な民間企業の就職活動とほぼ一緒です。公務員のように試験がある、というのはないです。
高橋さん)中央大学の内部でコースがあるとかでもないです(笑)
―中央大学出身ではない方もたくさんいらっしゃるのですか?
高橋さん)たくさんいます。
佐藤さん)個人的には、他大学出身者も採用して、学内に新しい風を吹かせる狙いがあると推測しています。大学によっても採用の方針や基準が変わっている気がします。
今の仕事を選択した理由と当時のキャリア観
―現在の職業に就こうと思われた理由を教えていただきたいです。
高橋さん)就職活動をする中で、漠然と「人の成長をサポートする仕事」がいいなと思っていました。大学時代に高校のバレー部のコーチをしていまして、自分の働きかけや行動によって学生がバレーの技術だけでなく心も成長していく姿を見ていて、そういうことができる仕事がいいな、と。大学職員に関わらず、どの企業の中でもこのような働き方ができたらいいなと思っていました。そんな中で1番マッチするのが大学職員であり、かつ母校の職員でした。
佐藤さん)そうですね。。。僕の場合は、誠実でありたかったから今の職業を選びました。これが自分の中で大きかったですね。昔の自分は、人と関わっていく中で周りに合わせて自分を変えるような、カメレオンのような部分がありました。なので、仕事では誠実になりたかったんです。目先の利益などにとらわれず、学生の教育に携わっていくという大学職員の関わり方自体が “誠実” だなと考えました。また、自分が好きな中央大学の学生であれば誠実でいられるな、と思いました。
―就職活動時代には、どういった将来像やキャリアプランを思い描いていましたか。
高橋さん)一番有名な職員になりたいなと考えていました。というのも、在学生や卒業生にもっと中央大学の魅力を感じてほしいという想いがあったんです。その手段として、私自身が有名になって魅力を発信することが最もわかりやすいのではないかと考えていました。あくまで学問的な部分の発展が第一ですが、中央大学の良さに触れる機会を増やすことも大事だと思ったんです。自分はまだ2年目なのですが、若いうちはこれに向けて様々な部署を経験したいです。
佐藤さん)キャリアプランとは少し離れるかもしれないのですが、働き始めてからずっと考えている「なりたい職員像」でいくと、すべての人の印象に残る仕事ができる職員です。我々大学職員は“事務仕事” なので、個性が出にくいと思うんですよ。質問されたことにただ答える、とか。でもそれでは記憶には残らない。その学生が本当に抱えている悩みって何だろう、自分が持っている情報を出してあげようだとか、この部分を強くとらえて仕事をしたいと思っていました。これでいいのかな(笑)
高橋さん)すごい素敵じゃないですか! “仕事で個性を出す”というところにとても共感しました。
―やはり個性があると、「この人はこんな個性があるから、この仕事を任せよう」とか自分の仕事にとってもプラスアルファになりますよね。
佐藤さん)そうそう。「この人はこれが強い・弱い」が分かると、チームにとっても良い形につながりそうだよね。
働くことの “やりがい” と “大変なこと”
―キャリアセンター職員として働いている中で、やりがいを感じる瞬間はどのような場面なのでしょうか。佐藤さんにお答えしていただいてもよろしいでしょうか。
佐藤さん)んー、なんだろう。意外と「ありがとう」って言われることが少ないんですよ(笑)。だから僕は、もちろん就活先が決まったか決まっていないかもとても大事ですが、その子の人生や時間に良い影響を与えられたかを大切にしています。“講演を聞いている時の目がキラキラしている” とか “話を聞きに来てくれる”とか、学生の行動や反応が変わったなと感じた時、つまり自分の行動で相手の意識や次の行動が変わった時にやりがいを感じますね。これは、学生だけに限定した話ではないですけどね。
―なるほど。では一方で、大変だったことはありますか?
佐藤さん)高橋君、何かある?(笑)
高橋さん)えっと、、具体的にお話しすると、去年の公務員の説明会ですかね。就活って毎年事情が違ってくるんですけど、その変化に対応したイベント作りができず学生が離れてしまいました。加えて、「中大生の心に残るようなイベント」という観点が抜けていました。やはりキャリアセンター職員というのは、学生のことを何重にも考えていく必要があるなと改めて痛感した体験でしたね。
―やはり、佐藤さんが先ほど仰られていた“学生の印象に残ること”が一番大切なことであり、なおかつ一番難しいことなんですね。
高橋さん)そうですね。その通りだと思います。
社会で生きる上での「選択の軸」
―次の質問に移らしていただきます。社会人として生きていく中で、様々な
行動を起こして物事を選択していくと思います。その時に持ち合わせる「選択の軸」を教えていただきたいです。
佐藤さん)選択の軸ね…。一つが「その仕事に意味があるかどうか」です。例えば、学生支援や職場環境の改善を行う時に、それがちゃんと意味があるのか、どんな影響があるのか、ただ“やっているだけ”ではないのか。これらのことをまず考えます。もう一つが「自分の気持ちを考えること」。ここを結構意識しています。実は1年目の僕はどうしようもない人間で、何もできなかったんですよ(笑)。この頃は相手を意識するあまり、自分がしたいことや自分の気持ちを確認してなかった。やはり自分の気持ちが乗った仕事ほどいい仕事ができるんですよね。逆に納得できない仕事が目の前にあった時は、“どうして納得できないんだろう”と考えるようにしています。
10年後のキャリア像
―続いての質問は高橋さんにお答えしていただきたいのですが、10年後
どのようなキャリアを歩んでいたいとお考えですか。
高橋さん)10年後、、33歳。。教職員や卒業生、その他関わる人から「この人に協力したい」と思われるような職員になっていたいですね。前提として、自分がした仕事は回り回って自分に跳ね返ってくると思うんですよ。実際、卒業したOBOGが中央大学に愛着を感じてキャリアセンターのイベントなどに協力してくれるということが多いんです。自分もそれに寄与できるような職員になりたいと願うとともに、この循環が中央大学をより良くすると信じています。10年後に実現できればうれしいですね。
―自分の仕事1つ1つが直接的にも間接的にも中大をよくしていく、という形を作っていきたいということなんですね。
高橋さん)そうですね。今やっていることが “布石” になっていればなと思います。
キャリアに悩める中大生へのメッセージ
―質問は以上になります。最後に、今自身のキャリアについて悩んでいる中大生へメッセージをお願いします。
高橋さん)自分もキャリアに悩んでいたので、すごく気持ちがわかります。自分は就活が終わるのが遅くて、9月に終わったんですけど、7月・8月は心身ともに滅入っていました(笑)。僕の経験から言えるのは、とにかく動いてほしいです。「自分はこういうことがやりたい」という想いが少しでもあるなら、とにかくそれに向けて行動すべきです。残酷ですが、いざ目指した時にはもう遅かったということもありますからね。
佐藤さん)経験は人を成長させると思います。成功体験や失敗体験は自分の糧です。大学生活は、色んな活動を自分で取捨選択しながら行動ができるという意味でとても価値があります。なので、たくさん経験することが大事だなと思います。また、自分の気持も大切にしてほしいです。心の変化や感情を意識すると、「この仕事好きかもな」「逆にこれは嫌いかも」ということが分かってくると思うのですが、これがキャリア観を形成していくはずです。あと、主体的に取り組んだ結果の失敗もたくさんしてほしいですね。失敗してない人ほど弱いものはないと僕は思うので。まとめると、とにかく最初の一歩を踏み出して色々失敗なり何なりを経験せよ!、ですね。
ー素敵なメッセージありがとうございます。以上でインタビューを終了させていただきます。本日はお忙しい中、取材を快諾していただきましてありがとうございました。
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