Chapter:Ⅳ【キッチン】
家政婦の舞目路黒美は、不安げに目を伏せている。あなたと同じように電話で起こされ、ゴリラのレクサスに乗せられてきたのだろう。
彼女は通いで三日に一度、この屋敷に来ているそうだ。
守るように舞目路の肩を抱き「彼女への取り調べは俺も同席しますから!」と息巻く碧居をいなして、あなたはキッチンに向かった。
「舞目路さん。最近、台所の家電をいくつか買い替えたようですね。玄関に真新しい段ボールが畳んで積んであったのを見ました」
「あっ。はい……一週間ほど前に、オーブンと炊飯器、それから食洗機を購入しています。望月さんが、家族も増えたことだし古い家電を入れ替えようとおっしゃって」
舞目路がおずおずと答える。
「オーブンなんかの機種は、舞目路さんがお選びに?」
「あっ。いえ……望月さんがご自身でネットの通販サイトを色々お調べになって注文していました」
「へぇ。家政婦さんを雇ってるなら自分で使うことはそうないだろうに、何かこだわりでもあったんですかね」
「さぁ……?」
首をかしげる舞目路を尻目に、あなたは勝手に冷蔵庫を漁ってヤクルトを一気飲みすると――
舞目路に話を聞く
碧居に話を聞く
小浦と野呂井に話を聞く
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