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のびのび生きる悪役たち
映画なんかで、主人公よりも悪役の方が存在感を放っているものがある。有名なのだと、「ダークナイト」「ノーカントリー」、「レオン」も個人的にはスタンフィールドの方が印象的だ。これが海外ドラマにもこの手のがちらほらある。
それで、この前の三連休でドラマ版のファーゴ・シーズン4を全話観た。ファーゴは概略として、どのシーズンも登場人物たちのちょっとした選択ミスが重なって、どんどん話がおおごとになっていくというのが物語のベースにある。それと、基本的な構図として、主人公側とその敵側と、それから第三勢力としてどちらに属すわけでもない、悪魔みたいな真の悪役が必ず1人登場する(ちなみにシーズン3はルーピン先生の人)。
この悪役、人をそそのかしたり、殺したり、金を奪ったり、悪いことを次々やるが、それを武勇伝のようにひけらかすこともせず、用が済んだらさっさと息をひそめて隠れる。だから、話の主戦場にはほとんど現れない。
役柄でいうと、ジョジョの4部の吉良吉影に近いが、彼と違って主人公と真っ向から戦うこともしない。ただ、話のスレスレなところで好き放題やっているのである。
それでこんな生き方に憧れたりする。悪いことがしたいというわけではない。ただ好き勝手生きると、しわ寄せが来て、その代償や報いをどこかで受けると私はどこかで思っている。それを恐れることもなく、すんなりと飲み込んで、ただ望むままに生きることが私にはできない。それも承認欲求などもなく、謙虚さすら持ち合わせる。どこか人間的なようで人間的ではない。この我を通す自由奔放な生き方が正直羨ましい。
ただ仲良くしたいかと言われれば話は別だ。こんな奴とは絶対に友だちになりたくない。見てる分にはドラマくらいの距離感がちょうどよいと思う。
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