マガジンのカバー画像

こちらリヤド、43℃

112
リヤドでの見聞録と生活記録(2015-2021)。自分の話す練習を兼ねた試験放送:こちらリヤド、43℃ on stand.fm https://stand.fm/channels…
運営しているクリエイター

#大学

107. ネガティブフィードバックとコップの水

ヒジュラ暦1442.9.19 (2021.5.1) かれこれ5年の付き合いになるサウジ人の友だちが先日、私に 「最近、気づいたんだけど、私と違って駄々さんは意見を言う時、いつも間接的だよね」と。 *駄々さんとは「私」のこと。 彼曰く、私は、〇〇と思う!とか、好きだ、嫌いだをはっきり言わないと。どうも日本人はそういうところがあるんじゃないかと。 おそらく、それは正しいと思う。異文化間コミュニケーション関係の本を読むと、ほとんどと言っていいほど、日本(人)は「間接的」とか

100. 何か課題をください。

ヒジュラ暦1442.3.17 (2020.11.3) 学生に試験を返却してから数日は気が重い。なぜかというと、学生が減点を補うためにあれやこれや私に交渉を持ちかけてくるからだ。 Zoomで会議に入ってくるとき、いつもなら「おはようございます」の挨拶だけして、全員がそろうまですぐにミュートにする学生が、「おはようごさいます。先生、どうですか」「お元気ですか」とか言ってくる。明らかに不自然だ。会話の糸口をさぐりに来ている(笑) 会話で来る場合もあれば、whatsappなどの

99.Zoom授業雑感-2画面環境を求めて

1.なぜ2画面かヒジュラ暦1442.2.17 (2020.10.4) 2020年3月の学期途中より遠隔授業が始まり、どうにか学期を終え、夏休みをはさみ、9月になり新学期が始まった。まだ、しばらくは遠隔授業をすることになっている。 初めてのZoomを使って試行錯誤をした数ヶ月でわかったことは、今の私に必要なのは、とりあえず2画面ということだった。いつも13インチのノートパソコンで授業をしているのだが、私の目肩腕はやられてしまった。画面の前にいる時間が長くなり、操作が複雑(画

94. Zoom授業雑感(Week 6)-筆記試験演習

1.今週の要約ヒジュラ暦1441.9.1 (2020.4.24) 今週で大学の授業期間は終了。来週から期末試験期間に入る。まだ、試験があるので、正確にはゴールではないのだけど、気分的には、マラソン選手がゴールに倒れ込むような感じの、どうにかこうにかやりましたという気分だ。 今学期は期末試験をGoogle formsで実施することにした。遠隔でどのように実施するかについて、Zoomのブレークアウトルームを使って、試験の実施演習をしてみた。 カンニング問題を完璧にクリアする

93. Zoom授業雑感(Week 5)-口頭試験

1.今週の要約ヒジュラ暦1441.8.23 (2020.4.16) 今週は会話クラスで1対1の口頭試験を実施した。Zoomのブレークアウトルームを利用して、一人5分程度の試験を20名程度行った。概ね、普段教室で実施するものと同様にできたとは思うが、やはり数名の学生がノートや資料を見ながら試験に臨んでいる印象があった。 今週、勉強になった発信は、AATJのウェビナーでオンラインでの試験や評価についての実践報告が大変、参考になった。また、「ニッポンのオンライン授業カンファレン

92. Zoom授業雑感(Week 4)

1.今週の要約 ヒジュラ暦1441.8.17 (2020.4.10) 遠隔授業4週目。授業については、今まで、ビデオで参加しない学生に頭を悩ませてきたし、ビデオで参加が常識ぐらいに思ってたのだけど、先行事例、通信環境、文化的な事情なども考え、「ビデオで参加を前提としない」と思うに至った。つまり、ビデオで参加したくなる工夫などはあまり考えないことにした。 今週の実践報告としては、Zoomの投票機能を試してみた。授業中に学生にアンケートをとって、結果をshareするのに便利か

91. Zoom授業雑感(Week 3)

1.今週の要約ヒジュラ暦1441.8.10 (2020.4.2) 今週も長いので、要約を。 サウジでは遠隔授業も3週目になった。教員も学生も遠隔授業に慣れてきた。良くも悪くも慣れた。徐々にリアル教室での学生のふるまいが、同じようにオンラインでも見えてきた。遅刻、欠席が通常と同じように出始め、出席と見せかけ途中消えたりなどが見られるようになってきた。 ただ、少し学生にも同情するのは私自身、学生の時に大学の時間割すべてをオンラインで受講したことはなく、90分近くけっしておも

90. Zoom授業雑感(Week 2)

今週の要約 ヒジュラ暦1441.8.2(2020.3.26) 遠隔授業も2週目に入った。ニュースを見るとサウジは、えらくかっこよくスムーズに遠隔授業に切り替わったように見える。 実際はなかなかの混乱だと思っている(笑)大学からは、毎日のように遠隔授業用のアプリケーションの使い方のpdf(アラビア語)が送られてくる。 それは、さておき、zoomによる授業も2週目。うまくいったこと、気になる点など書いておきたい。長くなりそうなので、最初にまとめておくと 【うまくいった点】

89. Zoom授業始まる(Week 1)

ヒジュラ暦1441.7.25 (2020.3.20) サウジは先週の月曜から全国的に教育機関が休みになった。その後、徐々に人々の動きを制限する指示が続いている。 先週のことはここに書いた。 そして、今週、日曜(こちらは日~木までが平日)からは通常の時間割で遠隔授業が始まった。私はZoomで授業をすることにした。大学にはBlackboardという学習管理システムがあって、そちらの方がマルっと教育向けに機能がそろっているのだが、どうも動きが重いという話があったので、とりあえ

88.  コロナに備えて

ヒジュラ暦1441.7.18 (2020.3.13) 今週は、日曜日(3/8)は通常通りの出勤だった。確かサウジのコロナウイルスの感染者は5名程度だった(3/13時点:62名)。授業で学生にコロナウイルスについて心配ですか、と聞いたら「私たちは大丈夫です」と自信ありげに話していた。ただ、休校になったら、うれしいとも。そんなことを笑いながら話していた。 個人的には、メッカのようないろいろな国の人が、ものすごい数、出入りするサウジにおいて5名はちょっと少ないんじゃないかと思っ

87.五つ星ほしい☆

ヒジュラ暦1441.7.4 (2020.2.28) 今週は中間試験があったり、食事会と称して20 時に呼び出された教室で22時まで謎の教員ワークショップがあったり、翌日は砂嵐で休講になる等、ばたばたした一週間だった。 普段は自転車で通勤をしているが、夜の移動や天候が悪い時はUberを使って移動している。サウジアラビアではここ数年でタクシーよりもUberの方が一般的になった。値段の交渉も必要なく、目的地もアプリ上で設定できて、出かけることがだいぶん楽になった。 Uberの

86.ロビーイングしなきゃダメだ

ヒジュラ暦1441.6.29 (2020.2.23) 先日、所属が違うサウジ人の先生に 「ロビーイングしなきゃダメだよ。私はいつもそれを考えて動いている。」 と言われた。 ロビー活動(ロビーかつどう、lobbying)とは、特定の主張を有する個人または団体が政府の政策に影響を及ぼすことを目的として行う私的な政治活動である。ロビイング、ロビーイングともいう。(wikipediaより) ただの世間知らずなのかもしれないが、「教職」と「ロビー活動」ってつながるのか、ピンときて

55.ステージ裏の優越感

ヒジュラ暦1440.8.22 (2019.4.27) 後期の授業期間が終わり、期末試験期間に入った。 私は試験監督だ。問題用紙を配り、不測の事態があれば対応するのが仕事だ。学生が前日までぎゅうぎゅうに詰めこんだ記憶の扉を全開放している傍を、2時間近く歩き回る。 試験中はもちろん、学生はしゃべることもできず、よそ見をすることも許されない。非常に自由を制限された時間と言える。 一方、私の方は教室を自由に歩き回り、学生の解答の様子を見たり、もう一人の試験監督の先生とひそひそ話

52.ガソリン代 >教科書代

ヒジュラ暦1440.6.18 (2019.2.23) 時々、学生が「お金がないので、教科書が買えません」と言う。確かに他の国で仕事をしていた時にも、しばしば、教材をコピーして使っている人がいた。もちろん、これは問題なのだが、経済的事情もあり、複雑な問題だったりする。 だが、ここの場合、少し事情が違う。ここの大学生は原則、学費は無料。さらに月に3万円程度の給付金が出るのだ。おこづかいをもらって大学に行くようなものだ。 にもかかわらず、お金がないので教科書が買えないという学