『文藝春秋』で「保守とリベラル」連載担当します。
今月発売の『文藝春秋』2024年2月号からリニュアールされた読書欄で、ブックガイド「『保守』と『リベラル』のための教科書」を連載することになりました。
…といっても、「保守」担当の浜崎洋介さんとひと月ごとに交替で執筆しますので、私が書くのは来月からです。今月号の連載初回は、浜崎さんによる福田恆存『人間・この劇的なるもの』。
浜崎さんと最初にご一緒したのは、『表現者クライテリオン』2019年3月号での対談(収録は18年末のはず)で、私の『歴史なき時代に』に再録しています。そこでも述べていますが、実は私は福田恆存という人がずっと苦手でした。
病気の前から、浜崎さんが2011年に出していた『福田恆存 思想の〈かたち〉』は読んでいたのですが、率直に難しくてよくわからなかった(苦笑)。一方で、うつの体験をした後に浜崎さんの解説を読むと、意外にすーっと入って来るものがあったんですね。
福田はシェイクスピア全集の翻訳で知られたほか、自ら戯曲を書き劇団を主宰する演出家でもありました。そして、舞台の外でも「われわれは常に『演じながら』生きている。ただしその演技が『演じていない』ように見えたときにだけ、われわれは世界を自然なものとして受け入れられる」……というのが、政治評論も貫く福田の哲学だったのだろうと、連載初回の浜崎さんの筆致からなんとなく思っています。
演劇をモデルにして政治や秩序を捉えた「保守」(と呼ばれることもある)思想家としては、たとえば『人間の条件』のアーレントもいますね。浜崎さんとは文春ウェビナーでも時折ご一緒していますので、そのあたりも今後掘り下げていければと思っています。
毎月の連載にご期待くだされば幸いです!
P.S.
浜崎さんもご自身のブログで連載開始を告知されています。
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