障がい者手帳を申請してみる

(※統合失調症の闘病の記録と、わたしが困っていることを健康な人にも知って欲しいという目的でこれを書くことにした。症状についてもできるだけ詳しく書いているので、長いけど一人でも読んでくれる人がいたら嬉しく思う。)

詳しいことはわからないけれど、障がい者手帳があると何か割引になるものがあるかもしれないとある日思いたったので、医者に話して申請してみることにした。

「わたしって、障がい者手帳、取れますか?」と医者に聞いてみたら、「取れると思いますよ。」とあっさり言われた。ただ、等級は申請してみないとわからないとのことだった。「持ってて何かメリットあるの?」と聞かれたけれど、「何かが割引になる気がします。」という茫洋とした答えしか出来ず、もし何も割引にならないのであれば、手帳を持っていることによって就職しづらくなるなどのデメリットの方が大きくなるのではないかと怖かった。医者がそれを察して「損することはないと思いますよ。長期的に見れば得だと思います。」と言ったので、申請してみることにした。
でもやっぱり、一度障がい者になったら二度と健常者として生きていけなくなるのではないかと怖かった。差別されるのかなとか、配慮のない人に「甘えじゃなくて?」って怒られるんじゃないかとか。手帳一つ申請するのにも、病気で仕事を止められていて経済的に困窮しているし、誰にも怒られないよね、と自分を勇気づけなければならなかった。

手帳の申請をするために診断書を書いてもらった。6000円。診断書を書いてもらうのって4回目だけれど、いつも結構高い。自立支援医療(精神疾患の治療費を一部国に負担してもらえる仕組み)申請してても関係ない。

以下、診断書にてチェックしてあった項目
幻覚、妄想、自閉(←え?)、感情平板化、意欲の減退
精神障害を認め、日常生活に著しい制限を受けており、時に応じて援助を必要とする。
通院と服薬はおおむねできるが援助が必要

症状について
頭の中で、五人くらいが騒ぎ立てている声がずっと聞こえるため、目の前のことに集中できない。声の内容は、「態度悪いぞ、お前」「口答えするな」等である。
常に緊張してハラハラしている感じがする。いつ誰に攻撃されるか分からないような気がする。殴りかかられたり、頭を叩かれたり、言葉の攻撃をされそうな感じである。


こう書いてあるのを客観的に読むと、めちゃくちゃ具合悪いやん!と思う。でも実際わたしの身体で生きてみると、頭の中で声が鳴り続けていることはあまりにも普通のことなので、逆にみんなには聞こえていないことを知らなかったし、何度聞いても信じられない。最近は投薬のおかげかおおむねなくなったけれど、人とすれ違うときに急に殴られる気がして警戒していたし、長い間「殺される前に殺さなきゃ」と殺気立っていた。加害者にならなかったのは奇跡。

「自閉」の項目にチェックが入っていたことに驚いた。よくよく考えてみると、目が合ったらそんな気分じゃないのに微笑みの表情を向けないといけない気がするのが億劫で、人とはできるだけ目を合わせないよう努めていることに気がついた。(これを書きながら頭の中で、目を合わせないなんて失礼だと叱る声が鳴っている。)
しかし数年前、発達障害の検査をしたときに自閉症がちょっと入ったADHDグレーゾーンだったことを思い出す。わたしって医者から見たら自閉なんだ、へぇ〜という感想。

症状についてもう少し詳しく説明すると、頭の中で鳴っている声は過去実際に言われたことがある言葉である。「態度悪いぞ、お前」「口答えするな」以外には、「死ね」「キモい」「菌が移る」「ブス」「整形したら?」「甘えじゃなくて?」など数え切れない。(さっき頭の中で鳴っていた、目を合わせないなんて失礼だという声も実際に聞いたことがある。)これらが頭の中でずっと聞こえている。
小学校と中学校では、わたしより体格も良くて力も強い男性教師に胸ぐらを掴まれたり頭を叩かれたりしてすごく怖かった経験があるし、長い期間母親に叩かれていた。肉体的な痛みも実際に経験したことがある。
辛かった記憶がフラッシュバックするかのように脳内で度々再現される。


今更ながら調べてみると、JRは精神障がい者は割引にならないらしい。せやったら意味ないやんけ!
世間では、精神障がいだって障がいの一種なのに割引の対象外になるなんて、差別だという声があがっているらしい。そう言われてみればそう思えてくる…実際精神障がい者だって収入が無い、もしくは低くて困っている人が多いんだしネ。


統合失調症のわたしはこんな困りごとを抱えて生きてます。以上、長いのに読んでくれてありがとう。

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