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破壊と創造 ~ダンスから学ぶ経営~

学生の頃、競技ダンス部に入ってました。

世間では、ChaChaCha、Waltz等、いわゆる社交ダンスと呼ばれているものがありますが、それらの技術を競い合う感じのものです。

フィギュアスケートのように厳密に採点されます。

スタンダード(モダン)と、ラテンアメリカンの二種類があって、

ボクの場合は、
ChaChaCha(チャチャチャ)、Samba(サンバ)、Rumba(ルンバ)、Paso doble(パソドブレ)がメイン種目でした。

ダンス1
ダンス2

ボクは、元々、ダンスに興味があるどころか、
リズム感すらなかったので、最初は、かなり大変でした。

先輩:「向山~、ちゃんと音を聞いてー」
ボク:「音なんて、見えません~」

そんな感じで入った競技ダンス部は、
どちらかというと、伝統を重んじる雰囲気がありました。

・学生の部活だから、プロから学ぶのは禁止。
・学生の部活だから、アマチュア戦(アマ戦)に出るのは禁止。

過去に、全国で2位になったことがあるらしく、その先輩方から伝わってきた練習メニューをずっと大切にしていました。

でも、全国どころか、九州大会でも、なかなか勝てない状況でした。

九州大会で上位入賞者である他の大学の方々は、
プロの先生のレッスンを受けたり、アマ戦に出場して、経験を積んでいるようでした。

ある日、H先輩が言いました。

全国2位になったのは、随分、昔の話だよ」
「ボクたちのダンスは、もう時代遅れ」
「プロから学ぶべきだ」

同様に、A先輩が言いました。
アマ戦に出て技術を磨かないと、ボクたちの未来はない」


そして、A先輩は、皆に内緒でアマ戦に出場しました。

その後、部活のルールを無視して、アマ戦に出場したことがバレたようで、A先輩は、皆から非難されまくりでした。
あやうく、部活から追放されるところでした。

A先輩がアマ戦に出場したのと同じ時期くらいから、やはりH先輩も、皆に内緒で、プロから学び始めました。

しかも、当時の世界チャンピオンから。

この方々です。

ボクと後輩たちは、
そんなH先輩から、基礎基本を教わり始めたのですが・・・

部活の伝統を重んじる他の先輩方は、
ボク達が、H先輩から教わることに猛反対し始めました。

そして、ある日、ボクたちは、H先輩を除いた20~30人くらいの先輩たちに呼ばれました。

先輩たち:
「Hは、ダンスが上手くない」
「Hは、部活で教えていることと違うことをやっている」
「だから、お前たちは、こっち側に来い」

めちゃくちゃ派閥ができていました!
しかも、多数決で、少数派を締め出すかのように・・・!

結果的に、
H先輩は、全国大会の出場メンバーに選ばれませんでした。

H先輩たちが卒業した後、
ボクたちが4年生になり、新たにペア決めがありました。

ボクのパートナーになった女性は、
以前、『H先輩に対して反対派』の先輩とペアを組んでいた子です。

ですので、最初から、かなり大変でした。

パートナー:
「それ、H先輩に教わった内容だよね?」
「他の先輩に教わったことと違うよ!」

ボク:
そうだよ。違うよ。だから上手くなれる可能性があると思うよ」

丁寧にコミュニケーションを取りながら、大会に向けて、なんとか息が合うレベルまでもっていきました。

大会前日、パートナーに電話しました。

ボク   :「明日の目標は決めてる?」
パートナー:「一次予選、突破かなー」
ボク   :「いや、優勝でしょ。頑張ろうよ!」
パートナー:「勝ち負けなんて、どうでも良いよ。楽しく踊れればいい。」
ボク   :「絶対に優勝しようよ!」

こんな感じで、大会の当日を迎えました。

大会

準々決勝くらいまでは、半信半疑だったパートナーでしたが、準決勝、決勝と勝ち上がるにつれ、確信が入ってきたようです。

決勝では、ボクのことを信頼している様子で、息ばっちりでした。

そして、結果発表。

『優勝』

無事に、目標を達成しました。
うちの大学では、数年ぶりの快挙らしいです。


そして、大会後、パートナーに、一言だけ伝えました。

「実は、H先輩は、世界チャンピオンから教わってたんだよ」

パートナー:「えーーー!」

H先輩の名誉を挽回できて、良かったです。


その後、部活は、どうなったかというと、

・アマ戦出場OK
・プロから教わることOK

になったようで、
今では、九州大学の競技ダンス部は、全国の上位常連みたいです。

A先輩や、H先輩の努力が実ったようです。
本当に良かったです。

破壊と創造。

部活だけではなく、経営においても、同様のことが言えると思います。

ピーター・F・ドラッカーも、経営、すなわち、マネジメントにおいて、管理活動と起業家的活動の二つについて述べています。

既に存在し、知られているものを管理しながら、同時に、それらを陳腐化し、明日を創造することが大切だと思います。

そして、組織に特有の使命を持ち、一人一人を活かしながら、社会に貢献することで結果を作ることが重要だと考えています。

大きくステージを変えるためには、
既存の仕組みを管理し、時には破壊しながらも、新しい仕組みを創り続けることが大事ですよね。

大切な資源を生産的に活用して成果をつくることで、社会の信頼・信用を勝ち取っていきます。


向山雄治
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