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人生の転機パート2

高校一年生の頃、空手の道場の先生との出会いが、大きく人生を変えるきっかけになったように思います。

ある日、仲間内で作戦会議をしました。

「このまま、先生の言いなりになったら、人生終わるぞ」
「練習をボイコットしようぜ」
「月謝を払ってるのは、おれらだ」
「先生は、絶対に困るだろうし、おれらに泣きついてくるはず」

そして、ドキドキしながらも、練習をボイコットしました。

案の定、翌日に先生から道場へ来るよう、呼び出しがありました。

「よし、予定通りだ」
「おれらの勝ちだ」

これで自分たちの思惑通りになるだろうと期待しつつ、
道場へ足を運ぶボクたち。


そこで、ボクたちを待っていたのは、予想外の言葉でした。

「お前らは、魂が腐っている。全員クビじゃ!」
「もし、どうしても、また、おれから空手を教わりたいというなら、一週間後、朝7時に道場に来い」

「え・・・?」 
唖然とするボクたち。

道場を出た後、仲間内でも意見が分かれました。

「腹立つから、辞めようぜ」派

「このまま辞めたら、なんか格好悪くない?」派
です。

ボクは、後者でした。

仲間の半分は辞めましたが、
残った半分のメンバーで、一週間後に道場に行くことにしました。


道場に到着すると、すでに先生が待っていました。

先生:
「よし、おれがOKと言うまで、そこで正座しとけ」

ボクたちは、道場の玄関の土間で、正座を始めました。

朝8時くらいから、小学生の部、中学生の部、高校生の部、一般の部と、次々と入れ替わる門下生の方々の練習を見ながら、ひたすら正座を続けるボクたち。

小学生の門下生の子に、

「お前ら、また、なんかやらかしたんだろー?」
「アホやなー」

と言われつつ、ひたすら正座を続けるボクたち。

すべての練習が終わった19時くらいに、再度、ボクたちのもとに、先生が歩み寄ってきました。

先生:
「どーだ? 反省したか?」
「これに懲りたら、二度とこんなことをやるなよ」

12時間の正座をすることで、再度、学ばせていただけることになりました。

それから3年間いろいろありましたが、

結果的に、
・インターハイ出場
・第一希望の大学に合格
でした。

大学に進学して、一ヶ月が経った頃、
物事を客観的に考えることができるようになり、

「もしかしたら、とても良い経験を積ませていただいたのかもしれないな」
「今度、会ったら、お礼しなきゃな」

と思えるようになりました。

ちょうど、ゴールデンウィークで帰省する予定だったので、お礼を言おうと考えていた矢先に、「一本の電話」がかかってきました。

「先生、亡くなったらしい」

あとで聞いた話ですが、
実は、ボクたちにバレないよう、闘病生活をしてたらしく、
入退院を繰り返しながらも、
『これから社会で活躍する若者のために』
と、すべての時間とお金をボクらのために使ってくれていたそうです。


お通夜には、全国から2000人が参列してて、ボクの仕事は、交通誘導でした。

そして、お通夜が始まると・・・

皆、飲めや歌えのどんちゃん騒ぎをしながら、先生の武勇伝の話で盛り上がっていました。

普通、お通夜といえば、皆で故人を偲ぶものですよ・・・ね?

これもまた、後でわかったことですが、
先生(古梶好一さん)は、国体三連覇、元ナショナルチームメンバーで、空手の中学校体育連盟(中体連)を作るために貢献したことで有名な方です。

「本当に、良い先生に面倒みてもらってたんだなー」
「こういう人生って良いなー」
と心が温かくなりました。


それにしても、
人生において、後でわかることって、沢山あるように思います。

出来ることならば、
事前に理解できれば良いのですが、どうやら、そういうわけにはいかないようです。

あれから、随分、年月が経ちましたが、今なら、ボクにも理解できます。

「どこでも良いから、入れる大学に入れ」
「そして、大学を卒業したら、すぐに会社を作れ」

本当に、おっしゃる通りだと思います。

もし、人生、もう一度あるとするならば、
きっと高校すら行かずに、会社を作る選択をするんだろうなー。


本当に、人生の転機って、いつ来るかわからないものですね!

チャンスだと思ったら、即、実践あるのみだと思います!

向山雄治
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