「あそぼ あそぼ」 木村研


 ゆうくんが、砂場で遊んでいると、お母さんいいました。
「そろそろ、おふろにはいりなさーい」
「ちぇっ、もう少しでトンネルができるのに」
 ゆうくんは、口をとがらせてうちにはいっていきました。

 お風呂にはいっていると、また、お母さんがいいました。
「良く洗うのよ」
「わかってる。もう、一年生なんだから」
 ゆうくんは、せっけんをつけて、からだをごしごし洗いました。
 すると、泡がでてきて、ゆうくんは、泡だらけになりました。
「うふっ」
 おもしろくなって、ゆうくんは、もっともっと洗いました。
 ぶくぶくぶくぶく。
 泡が、あとからあとからでてきて、おふろは泡だらけになりました。
 それでも、ごしごし洗っていると、開け放した窓から、どんどん泡が外にでていきます。
「わー。おもしろそう」
「ぼくも、いれてー」
 砂場でいっしょに遊んでいたシャベルやトラックが、どんどん窓からはいってきました。
 ゆうくんは、大よろこび。
「あそぼ、あそぼ」
と、おふろで、いっしょに遊びました。

 さて、その日の夜のことです。
 お父さんが会社からかえって、お風呂にはいって、びっくりしました。
 だって、おふろの中に、シャベルやトラックがはいっていたからです。

(作者のことば)
連休中は、外でなかなか遊べませんが、子どもたちにとってお風呂はテーマパークのようなもの。ちょっと遊ばせてあげてくださいね。

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