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【読書感想】 HELLO,DESIGN 日本人とデザイン

こんにちは。Yomtの「時計」と申します。
先日こちらの本をペア読書しました。

簡単に感想を共有します!

はじめに

この本はデザイン思考について紹介された本です。デザイン思考とは、デザイナー以外も使える「思考のメソッド」です。

「では、どんなメソッドなのか。トップデザイナーたちが実践している思考法を抽出し、理論化し、それぞれの仕事(企業経営や商品開発はもちろん、営業やマーケティングに至るまで)に転用することによって、これまで思い浮かばなかった、優れた応えを導き出す。ーーーこれがデザイン思考の大枠です。」
(本文P.6より)


この本にかかれていること

本書ではデザイン思考の前提となるマインドセット、デザイン思考の4つのプロセス、そして現場で実行するための組織や人のあり方について書かれています。

これまでもデザイン思考についての本は何冊か読んだことがあるのですが、それと比較しても網羅的に抑えられている印象です。こういった本を今までに読んだことがない方には、おすすめできます。
デザイン思考についての「本家本元」の本としては、例えば

とか

がありまして、両方読んだこともありますが、翻訳本なので、「事例」や「ノリ」等が、日本語で読むと若干しっくりこないところもありました。

一方、本書を書かれた石川さんは日本人で、当たり前ですが日本語で本書を書かれています。なおかつその「本家本元」であるIDEOのご出身でもあります。そして2019年3月に出た新刊、ということで、「今」の「日本人」に向けて書かれていると強く感じました。(サブタイトルも「日本人とデザイン」になっていますね。)

そういうこともあってか、読書感としてはかなり「読みやすく、わかりやすい」印象です。「デザイン」や「デザイン思考」について、あまり縁がなかったよという人が読むには、うってつけの本ではないでしょうか。


後、雑記と言うか、蛇足的、独り言的感想

自分はデジタルプロダクトのインハウスデザイナーをやっています。この辺の話(デザイン思考)は自分の中ではある程度体系化できていて、いくらかは実践しているつもりです。
こういうメソッドの有効性は認識していても、何が難しいって、他の人に広めるところです。自分がプロジェクトのファシリテーターをやれば巻き込めますが、そうでなければなかなか実践には至りません。
(デザイン思考も数あるやり方の中のひとつですし、必ず使わなきゃいけないわけではないので、他のやり方でもうまく検討を進めて貰えればそれでいいんですが)

なぜデザイン思考が広まらない、デザイナー以外に自分事と思ってもらえないかって…思うに「デザイン」って言葉がついているのが、根本的な課題なのではないかと感じています。

「デザインは見た目だけではなくて、その前提となる調査や整理、そしてアイデア出しから検証から、アウトプットまでつながってるんだよ。つまりデザインはデザイナーだけじゃなくて皆関係ある話なんだよ。それをデザインっていうんだよ。なんなら皆デザイナーだよ!!」…なんて自分もよく言ったりしますが、これを「デザイン」って言ってること自体が良くないのかもな、とぼんやり思っています。デザイナーとして、デザインの価値、志を信じてはいますが、外側の人から見たらやっぱりポジショントークっぽく見えてしまうのかなあ、なんて。

広義のデザインが目指していることそのものは全く良いんですが、デザインに馴染みのない人が取り組むに当たって、「デザイン」というワードがとても髙いハードルになっているんじゃないか?
なので「デザイン」も「デザイン思考」も、もしかしたらそれに代わる、別のワードがあったりするんじゃないかなと。その名前付けができたら、ずばっと世の中に広まったりしないかなぁ…なんて、考えていました。


最後までお読み頂きありがとうございました🙇‍♂️

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