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カウントダウン4日

 28日、仕事納め。年末恒例の広告代理店時代の先輩とランチ忘年会を終えてから出社。先輩は昨年よりうんと肌が輝いてイキイキしており、一見脈絡のないような話が止まらないので私は何度か「あったかいうちに食べましょう!」とカットインして、彼女を器に向かわせる必要があった。特にその日はカウンターだったので、料理が冷めていくのをシェフに見せることが憚られた。やはり熱い料理は温度も味のうちだから。

 15時くらいに出社したが、実のところ、前日までにすべての仕事を終えていたので会社に行く必要がなかったのだが、25歳の女子になぜかなつかれていて二人で忘年会をしたい、というのでそのために。とはいえすでにやることがなく、18時が限界かも…と思っていたら、フリーアドレスでたまたま隣の席に座っていた別部署の男性32歳が「じゃあ19時までサクッと飲みません?」と声をかけてくれたので、これ幸いとばかりに先に出た。彼女は仕事が終わり次第、駆け付けるということになった。

国道246、渋滞しているのがデフォな道路が年末年始はこのようにクルマが消える

 結果から言うと、結局3人でそのまま23時頃まで飲んでいた。面白かった。楽しかった。年齢がかなり違うし仕事内容も3人とも違うのだが、「いい仕事をして成果を出したい」という思いが共通していることで、熱のあるいろんな話ができたし、面白い話もいっぱいできて終始笑っていた。満ち足りてとても幸せに最後の日を終えて帰宅。その幸福感はじんわりといまも続いている。

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 さかのぼって27日はこれもまた年末恒例の「サントリーホールで第九」。毎年不思議なのだが、ものすごい胸を揺さぶられる演奏の年と、そうでもなくて肩すかしっぽい年とがある。今年は後者で、ただ誤解のないように言うと演奏も素晴らしかったと思う。数年前にたまたまその日予定されていた海外の指揮者が急病で代理が立ったことがある。自分は特にオーケストラに詳しいわけでも、1年に何度も演奏会に行くわけでもないので、いずれの指揮者についても予備知識がなかった。しかし、代理で振ったサッシャ・ゲッツェルという指揮者が、これまた大変すごかった。

 最初から最後まで自分は息をするのを忘れてる瞬間があり、完全に彼の指揮に心がもってかれていた。その演奏は素晴らしく、すさまじく。おそらく私はあの体験を求めて第九を聴くようになってしまったことで、感動をなかなか得られなくなってしまったんだと思う。

 あと、年間を通してカラヤンが振るベルリン・フィルの第九の演奏をスマホで聴いていることも影響しているかもしれない。どうしてもそれと比べている感じがする。

カーテンコールの撮影が許可。最前列なのでうまく撮れなかった

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 もはや年末行事は消化した。あとはやり残しの大掃除、年末年始の食事の仕込み。なのだが、29日を丸々ベッドで過ごしてしまい、あっという間に大晦日になってしまう…。しかも、今夜はリドリー・スコット監督の映画「ナポレオン」の最終回に行ってしまった。ホアキン・フェニックス、いまでは押しも押されもせぬ名優であるが、中学生の頃、亡き兄のリバー・フェニックスの大人気ぶりを知る世代からすると感慨深い。金髪碧眼のリバーはまさにアイドルスターのような容姿で、ホアキンは当時見向きもされていなかったから。
 リドリー・スコットは最近歴史ドラマが多いのだが、コケティッシュで魅力的な女優を毎回起用するなぁと思った。ヴァネッサ・カービーにしろ、ジョディ・カーマーにしろ。

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 一夜飾りにならないよう、あわててお飾りだけは30日に済ませた。東京はこの時期ひとが消えて実に静か。年の瀬特有の静けさがいよいよ年末を感じさせる。

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