見出し画像

クリスマス休暇がもたらしたもの

さあ今日は、「下書き保存」に直行せずに投稿となるだろうか?

 ここ最近、仕事関連のことが頭を占めているので書き始めるのだが、2000文字くらい一気に書いても気分がのらずに止めてしまう。基本的に途中で止めたものを推敲して投稿することはないので、noteの(私的には)余計なデフォ機能により下書き保存記事が蓄積されていく。これを定期的に削除することまでがデフォになっている。

 フリーランスになって13年、やっとやりたいことと企業から望まれる範囲が一致してきた感が出てきた去年(こぞ)今年。同時にどうしても逃れられない苦痛を味わうようになったのも去年今年である。

 業務委託でのプロ人材契約とは、迎える社員側が業務のイロハを指導せずとも自走可能なその分野における経験者に、成果を託して契約するものだと解釈している。その点でニーズが増えてきた実感もある。自分は、昔から契約如何を問わず、コミットしたならば最大限を尽くす。だから時給契約はしない。相手は不安なようだが、正直時給契約をしたら大変なことになると思う。それくらい実はお得に労働を提供している。プロとして望まれたのだから、という矜持とそれを失望させたくない不安とで、常に120%で貢献する。「いいじゃないか、需要と供給が合致してるんでしょ?どこに苦痛を感じるの?」と自問すると、要するに誰も評価してくれないことがつらいのだとわかった。

 できて当たり前、やって当たり前、そういう契約だから当然と言えば当然なのかもしれない。御礼や感謝もされない。勿論、直接チームで関わった社員等とは絆もできて相応の気持ちも表明される。しかし、それが自分の成果や評価に直結することは組織においてあり得ない。それが業務委託であり、おそらくこの点が自分の解決し得ない不満、苦痛な点だとしたら、自分はもしかしたらこの働き方が向いていないのではないだろうか。という、13年やってやっと到達しつつある境地自体に疑問の心がわいたのだった。

 そもそも自分が会社員から独立したのも、言うなれば成り行きでしかなかった。その後すぐにフリーランスとして活動し始めたのはもっと成り行きで、代表取締役社長を退いた人間をすぐに企業は雇ってくれなかったし、何よりも傷を癒すために少し休もうと思っていたのに、「今自由な立場ならうちの仕事ちょっと手伝ってくれない?」という知己の社長の依頼に応えていたらいつの間にかそれが生業になってしまっていた。

 いつもこういうとき思い出すのだが、某民放の女性アナウンサーがフリーになってすぐに自殺したことだ。ちょうど自分がフリーになったあたりのタイミングで、非常な衝撃を受けた。なぜなら、彼女のブログを読んでいると、「あ、この人はフリーに向いていない。会社員でこそ輝ける人だ」とすぐわかったのだ。たとえば、会社勤めの売れっ子アナウンサーであれば、スケジュールは分刻み。フリーになって彼女は好きな時間にホテルのティーサロンでお茶を飲みながら、それに幸せを見いだせずこうつぶやいた。

 「本当だったらこんな時間持てるはずなかったのに。忙しそうに行きかう同世代の人を眺めていて苦しくなってしまった」。つまり、会社に管理されている多忙な時間を恋しがっていた。これ、当時の自分もまったく同じで、決まった時刻に起床せず、決まった時刻に決まった電車に乗って苦痛の通勤を味わわないことが社会の輪から外れたように感じられていた。あんまりつらくなって、用もないのにラッシュの通勤電車に乗ったこともある。間もなくしてその彼女は自殺してしまった。いろんな理由が重なったと思うが、その苦しみを投影して非常に落ち込んだという思い出がある。

 さすがに独立して10年くらい過ぎたころから、自由っていいなーと感じられるようになって、会社の集団行動をしなくてよかったり、事務作業から解放されていることなどは自分に合っている!と思えるようになってきたのだが、この数日で何がこんなに苦しいのか?と考えてわかったことがある。

 「社会的評価が欲しい」という思いだ。えーーーーーー。絶句。。深堀してみた。まさかの思いだったからだ、我ながら。でも深堀すると、これは社会で名誉を得たいのではまったくなく、心血注いだ自己の仕事、成果に対して真正面の評価が欲しい、という意味だった。法人化して社長になれば簡単かもしれないが、どうしても自分はその情熱が持てない。おそらくは、若くして出資を受け起業した際の傷が深すぎることが原因。自分にその資格も器もないと誰よりもわかっている気がする。じゃあ後は何が残っているのか?

 ふと思ったのは、「もしかして会社員に再び挑戦することなのか?」ということ。ちなみにスタートアップでよい関係を築いている契約先などでは大抵そのオファーをいただけるが固辞してきた。違うのだ、たぶん。今自分が抱えている問題はそれでは解決しない。

 よくわからない。でも見えてきた。何に苦痛を覚えてきたのかは正面から対峙できた。評価されたいのだ。まずはここから。そういうクリスマス休暇であった。

(どうやら下書きにせず投稿できそう)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?