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上洛し続ける男。

大学を卒業してから早2年、毎月欠かさずに京都へ上洛し続けている。

出身大学が京都にあるということも関係しているが、何よりも京都が大好きなのである。

出身は兵庫で、幼少期の数年間だけ京都の長岡京市に住んでいたことがあったが、引っ越して以降、実家を出るまでずっと兵庫在住であった。

兵庫に住んでいると、日曜日どこか遠出するとなった時に、候補に挙がるのが、神戸や大阪そして京都である。

近畿の中で、よく京阪神圏とひとまとめにされることも多く、京都は兵庫県民からしても、手頃な観光地である。とはいえ、兵庫も大きいから岡山寄りに住む方からすれば少し遠いかもしれない。

幸いなことに、大阪寄りに住んでいた自分にとっては、手頃であった。

そんなこんなで京都には小学生の頃、よく親に連れて行ってもらっていた。
ただその頃は全く京都という都市に興味がなく、あまり楽しんではいなかったように思う。

きっかけ中学2年だった。

当時、なるべくしてなったといえる厨二病の最中で深夜アニメという存在を知り、アニメの世界へのめり込もうとしていた時期だった。

たまたま本屋で見かけた、原作・森見登美彦氏の『有頂天家族』のアニメ予告であった。

放送開始とともに、作品にハマり、続きが気になり、原作小説も買った。

京都を舞台にした作品だっただけに、京都という地そのものが好きになった。

それから、高校生になり、大学受験をする上で、特にやりたいことがあったわけではなかったが、京都の大学であることには固執した。

そこまで頭が良いわけではなかったから、受験には苦労したが、なんとか二つの大学に受かった。

一つは、大阪の大学で志望学部であった。
もう一つは、母校の大学だが、志望学部ではなかった。

しかし特に迷うことなく、学部ではなく、大学を選んだ。

その選択自体に今も後悔はない。

そして期待を膨らませた夢の大学生活に突入した。
志望学部ではなかった上に必修科目がやたらと多く、自分の受けたい授業を選ぶといった楽しさは一欠片もない学部であっただけに勉強には少し苦労した。

本当は一人暮らししたかったが、節約の為、実家から片道2時間かけて通った。
そのおかげか時間感覚は、バグった。

しかし、大学に行く=京都に行くという事実に全ての苦は帳消しとなった。

大学1年の終わりに御朱印集めも始めて、さらに京都好きに火がついた。

やがて大学4年になり、就活を迎えた。
かなりぎりぎりまで、京都での就職に固執したが、結局大阪の医療法人で落ち着いた。

大学受験も人生の分かれ道だが、就活はそれをも超える分かれ道で、自分の理想だけ貫くのはなかなかに厳しかった。

大学4年の頃はちょうどコロナ禍真っ最中で授業やゼミもリモートとなり、京都に行ける機会が減ってしまったが、それでもなるべく行くようにした。

あの頃、世間は大変だったけど、京都は観光客がいなくなり、町ががらんとして、居心地が良かった。

2020年5月。17時前の祇園方面。

そして2021年の春、社会人となり、大阪で一人暮らしを始めた。

4、5月は忙しかったが、6月頃には落ち着いて、京都に住む友達に久しぶりに会うことになった。

夜の鴨川で仕事の愚痴を言い合ってすっきりして、一つのことに気がついた。

京都に行くことが、自分にとっては気分転換で仕事を頑張れる理由の一つであることに。

そして、毎月一回必ず、京都に上洛することを決めた。友達に会ってもいいし、1人で散策するのもいい。とりあえず欠かさないようにしようと。

あれからずっと上洛し続けている。
最近は一回にとどまらず、2回3回行く時もある。

春夏秋冬全てを京都で感じている。いつか京都に引っ越したいなと常に思っている。

そして明日は、9月の上洛日なので楽しんでくる。

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