【カオリ】歯止め

現状を変えたくて変えたくて

もがくほどに

恨み言のような言葉が

手のひらから溢れてく

止めたくて止めたくて

泣いても泣いても

笑い方 狂っても

止まらなくて

ああ どうしよう

心の向く場所

言葉

音を探した僕だけど

なんとか

身なり整え

やっと

人前に出れるように変身し

そんな僕に

誰彼かと

声をかけてくれる

優しい世界

だけど僕は

その優しさが恐ろしい

綺麗な綺麗な水は

私には似合わない

泥だまりの沼のような

イメージが

優しいこの世界について回る

君らと同じこの世界に生きたいよ

苦しいの

お願いだから

あなた様達のその瞳から

僕を

消して

僕の「大丈夫」に納得してはくれませんか?

ひたすらひたすら

お礼と謝罪の繰り返し

どうして

どうしてそんなに皆んな

心の声と違うこと

口を紡いで

隠しているつもりなの

僕には私には分からない



ふいに

キラキラ

心地良い空気

なんだろう

解決策も答えのカケラも

見つかってはいないのに

空気が澄むような

誰かが何処かにいるのを感じる

その子がひたすら

違うと言う

お願いだから消えないで

消さないでって

誰だろう

日に日に僕の妄想は強くなる

情けない

心向くまま

心安らかな時間

周りが否定しようとも

僕が望んで欲しい時間

僕にひたすら優しい時間を

そうだ作ろう

勝手に決めた

僕だけのパワースポットに行ってみよう

そうだ

そこなら

そろそろ君に会えるかも


なんて


君は知らない

君がいる事も僕は知らない

君という

僕の空想が

僕を支える

今はそれで

充分だから


着いたパワースポット

近くの十字路うろうろと

なんだろう

「いるの?」

慌てて出た言葉に驚き 息ひそめ

誰にも聴こえちゃいませんように

変な日だ

今日ここで

一番はじめに僕に声かけする人

いるのかな

怖いな

どうしよう


君だったら


どうしよう



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