神様,

みつけたあの人と秘密の会話
ボクの大切なずっとずっと探していたあの子も
まだまだ辿り着けないボクとあの人だけの
秘密の秘密の会話を、書き起こす

本当は出たがりのくせに
こんなところに隠れて隠れて
かくれんぼなんて
誰かに許されても、もうボクが許さない

なにしてる

そうだ

【ぼく】が【あの人】と

無意識に知ってしまった

気付いてしまった

神様

どうしてこんなこと

人に試練があるとしても

何故、ボクを



         『だって、見つけてくれたから』



純粋な闇夜に煌めく光は清廉で
無邪気な瞳からは透明な液が溢れそうで
見ていられないのに、見続けた


「それでもここはボクが私になる場所だから。
     だからあなたに明け渡すつもりは」

言って、しまった、と思った

泣く

絶対、泣く

泣かれると、困る

この人に泣かれると

これから守りたい人も会いにいく人達も

また試練

いい加減にしてくれよ

せめて大きな溜め息ついたが

どうせ心は筒抜けだ

そもそも私の代わりが居ないから

この「子」はここに数十年と留まるしかなかった

それを抱えて抱えて抱え続け

ここに来れるまで、なってしまった



…めんどくせえな、なんで

やばい、しまった

だって本当にめんどくせえ

めんどくせえの好きだけど

好きだから、より、めんどくせえ

自分が一番本当めんどくせえ

ああ、落ち着け私

泣かせる訳にはいかない

いやもうなんでこんなに一人で抱えなくちゃ

落ち着かなくちゃ

ならどっちでもいいかも

いやいやいやいや

それじゃ何処を犠牲にするかなんて

嫌だ決めたくない

何も考えちゃダメ

もう見たくない

あーもう!わかんないわかんない

元々隠し事なんて苦手って知ってるくせに!

知ってるくせに!

ついでに私の好みとでも言いたげなのか!

あの子っぽい姿なの

なんなの!

クッソかわいいいいいいいいいいい!!!

ちくしょう、なんだその顔

腹立つ

泣くよりマシだけど

ああもう!

もう!


薄っすらと揺らめく地べたから
勢いよく立ち上がった幼さを宿した少年は
私に告げる

 『君の好きなカタチになるよ!
     何にする?

   犬?猫?狼?キリン?カバ?ゾウ?
    昆虫でもいいし、無機物でもいいよ!

      ドラゴンでもいいし、

                                          ケンタウロスとか!』

なんでそこでその空想上の生き物が
出てくるんだと不満を口にしたい思いが一瞬
よぎったが、それよりも今
この身を占める感情を
隠せなくても隠したくなって、諦めた

       


        「…そのまま」


しゃがみ込んでは両手で顔をくぐもらせ





     「そのまま…が、いいです」


精一杯、呟いた。


     

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