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【カオリ】憧れ

君が教えてくれた人気のない

展望もどき

そのお話しの前の前の

そんなお話し

それはとある平日の穏やかな昼下がり

二輪車転がし

適度に人波溶け合った

見る人見れば

僕はこの場に一等相応しくない立場の子

見つけて欲しいとも思わないが

気付いては欲しくて

二輪車シールそのままに

ひたすら一人でうろうろと

徒労疲弊の末に気付いたの

やっぱり僕は異質な子

泣きたくなった顔を上げ

夕焼け待たずに帰りましょう

ぐいと右腕掴まれて

現れるは

美しい人

遠い遠い潮の匂いを漂わせ

どうしてと僕に問いかける

意味も分からず

目をぱちくりと動かす僕に

聞いてもないのに

つらつらつらと美しい人 歌い出す

聞き慣れない名を述べて

首傾げる僕に

隣の国の名前だと僕に説く

塞ぎ込んでいる僕は

隣の国の誰かの名前なんて分からない

傾げる首は戻るけど

目の離せない目の前の人

僕に気付いた美しい人

彼女は言う

私の命は短いと

逃れられぬ最期だから ここに来たと

とびきり明るい顔で言う

ここの展望台は見渡しやすくて良いね

なんて

僕は学び場さぼっては

よく行く場所であったのに

知らない事ばかり

情けない

歌う彼女の言の葉気付く

僕が教えを乞いたい先生

その理想像

ずっとお話ししたいのに

そろそろお別れの時間です

ずっとずっと僕と視線かち合わせる

僕は堪らず先生の視線外れると

優しく優しく微笑んで先生は語ったの

君の事

自分と同じ

生まれながらの恵まれた探求と望みの心

膨大すぎる量と早すぎる判断は

周りとかみ合う人生望めない

せんせの子


「会ってくれない?」


唐突に海を見に行くお話しが舞い込む僕は

あんなに

遠くに遠くに

行きたいと願った僕なのに

断り続けてしまったの

それでも優しく微笑みながら

変な事言うからさ


「それでもきっと

あなただわ。

オーラなんて信じないけど凄く光ってて」


根拠はないけどと

おどけてみせる その姿すら美しく

僕は

僕だから

よく知っていた

はじめて自分以外で聞いた

大事な

感覚を研ぎ澄ませた あの知識

人に

理解もらえぬ鋭敏な五感を

忘れないように

忘れないように

先生のあの子の名前刻まなくちゃと

心を開く


「助けてあげて」


「あの子の名前


****


音楽響くRの広場

なるほど

居心地良さそう展望台

あと数歩

眺めれる景色に

僕は踵を返し 空想する

いつか会う君

いつかの夢のたぶんな君

ねえ 君が

君がこの場所を忘れっぽい僕に

もう一度教えてよ

そしたらきっと僕は思い出し

この世の奇跡信じるよ

君と隣り合い ここの景色を見てみたい

君ならきっと喜んで

ありふれて

笑ってくれるはずだから








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