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【料理×理科】とぅるとぅるの茶碗蒸し

夫

  なんでタマゴは熱を加えると固まるのか。
タマゴにはタンパク質が多く含まれているので熱を加えると固まります。タンパク質は熱を加えると固まるという性質があるからです。
このタンパク質というものは、21種類のアミノ酸が鎖状に多数連結(重合)してできた高分子化合物です。このタンパク質の高分子は、スポンジのように水分を含んでおり、加熱するとその水分を含んだ状態で固まります。この時、水分が多すぎると固まらず、少ないと固くなります。このタンパク質が保有できる水分量を理解したうえで、固まるか固まらないかのぎりぎりを攻めると、とぅるとぅるの茶碗蒸しができます。茶碗蒸しは完全に理科です。

ということで、とぅるとぅるの茶碗蒸しのレシピをまとめます。

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■ 3つのコツ

① 「卵:だし汁」 は 「1:3」
だし汁が多ければ多いほど、とぅるとぅるの茶碗蒸しになりますが、調子にのってだし汁を多くしすぎると固まりません。1:3がぎりぎりの分量で、この割合で作ると本当にとぅるとぅるの茶碗蒸しを作ることができます。

② 卵をしっかりと混ぜ、茶こしでこす。
卵は白身をできるだけ細かく切るように混ぜます。器に移すときは、茶こしでこして入れます。泡が消えるだけでなく、白身の塊も除去できムラがなくなります。これで舌触りの良い仕上がりになります。

③ 熱を通しすぎない。
せっかく下準備をしっかりしても、熱を通しすぎると固くなってしまいます。卵黄は65~70℃、卵白は75~78℃で固まります。しかし、タマゴ液に含まれる水分は100℃で水蒸気に変わってしまいます。固めるために加熱をする際は、絶対に100℃以上にしてはいけません。タマゴ液に含まる水分が水蒸気に変わってしまい、スが入ってしまいます。蒸し器の温度が上がりすぎないように蒸し器の蓋に菜箸などを挟み、蒸気が少し逃げるようにするとちょうどよいです。熱を通しすぎないのが最後のコツです。


■ 材料(3人前)

・ 卵  2個(約100g)
・ だし汁  卵の3倍(約300cc)
・ 塩  小さじ半分(薄味です)


■ 作り方

1. だしを取って粗熱をとる。
だしは何でも構いませんが、「昆布と乾燥椎茸」や「昆布と鰹節」あたりがオーソドックスです。

2. 卵をといて、だし汁と塩を入れ混ぜる。
卵白をきるようにしっかりと混ぜます。お塩だけでなく薄口醤油を入れても良いです。しゃばしゃばで本当に固まるのかなぁ?と心配になりますが、大丈夫です。ちゃんと固まります。

3. 茶こしを使って卵汁を器に入れる。
茶こしでこしながら、器に卵液を入れます。茶こしを使うことで、卵を混ぜた時の泡がとれます。また、卵白の塊もとります。このひと手間はとても大事です。
また、もし表面に泡が残てしまた場合は、スプーンなどですくって取り除きます。

4. 具に関して。
鶏肉や海老や野菜などの具を入れてもよいですが、ぼくはタマゴを味わいたいので、ぼくはあまり入れません。飾りに三つ葉くらいがお勧めです。松茸は香りが増すので好きですが・・・ あ、湯葉は舌触りが面白くなるので意外とおすすめです。

5. 器のフタをして10分蒸す。
蒸す時に中に水が入らないように器にフタをします。器のフタが無い場合はアルミホイルで構いません。蒸すときは、蒸し器の蓋に布巾はしなくてよいです。むしろ蒸し器の蓋に菜箸などを挟み、蒸気が少し逃がし、温度を上がりすぎないようにします。卵液を100℃以上にしてはいけません。(蒸気は100℃以上あります。)温度が高くなりすぎないように調整することが大事です。
蒸す時間も長すぎは良くありません。蒸しすぎも固くなったり、スが入ったりしますので、熱々の蒸し器に入れて、中火で10分くらいで良いです。

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以上です。是非楽しんでみてください。


■ 余談

ちなみに、「出汁とお塩」の代わりに「牛乳と砂糖」に変えるとプリンになります。オーブンを使わなくてもプリンは作れます。※牛乳に含まれるタンパク質の70~80%を占めるカゼインは、熱凝固しにくいタンパク質タンパク質なので、レシピが若干異なります。また砂糖によってタンパク質の凝固の仕組みが少し変わりまりますので、茶碗蒸しよりプリンの方が熱の入れ方が難しくなります。このお話は、また別の機会に。


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