じっくり、しっかり、私たちの"旨味"を全国へ さつまいもの営業が引き出さんとする未来とはー。
「ぶっちゃけたことを言えば、営業がしたいという気持ちの方が先だった」と、さつまいも農家で働くことを”偶然”のように装った柳本さん。もちろん言葉に嘘は無いでしょう、ただその偶然はあたかも必然だったかのように、インタビュー中も「プロ」の顔を覗かせてくれました。何が彼をそうさせたのでしょう?そして、思い描く未来とはー。
私がとび職から農家の門戸を叩くまで
私は正直なところ、最初から農家の仕事に興味があったわけではありません。地元でとび職として働いていたときに、親を通じて「くしまアオイファーム」での仕事を紹介してもらいました。ちょうど自分自身も営業の仕事がやりたいと思っていた時で、何を売るかについてそこまでのこだわりはなかったんです。良いチャンスかもしれないと、農業の世界に飛び込んでみることにしました。
「さつまいも」というと九州でよく取れるイメージがあるかもしれないのですが、本当にそのとおりで、鹿児島でも、ここ宮崎でも、「宮崎べに」という品種があるくらい、さつまいもの栽培は盛んに行われています。その裏返しとでも言いましょうか、“貰うことがあり買う事が少ない“という方も少なくありません。よく食べる地域でよく売れるとは限らない、というのが営業の難しさではありますが、弊社独自のブランディングを確立するなどして、九州やそれ以外の地域にも販路を拡大しているところです。
広いようで実は狭い、海外という商圏
今、私たちの会社では3人で営業を行っているのですが、先ほどのような背景から、主に本州あるいは海外の需要に向けて手を打っているような現状です。海外ってすごく広いフィールドのように思われがちですが、商社や代理店が押さえている地域もありますし、国として外国からの輸出入を制限していることだってありますから、実は元々の商圏から言って狭い。そういうところも実際にやってみないとわからないですし、どう売っていくか・広めていくかは営業の腕の見せ所ですよね。
生産から販売まで"プロ"の仕事を魅せたい
私たち、くしまアオイファームのさつまいもは、「特別栽培」という手法を採用しいていて、農薬についてそれぞれ決められた量だけを使用しています。有機栽培ー全く農薬を使わない栽培ーはよく耳にすると思うのですが、私たちもこの栽培方法に自信を持ってやっていますし、400名ほどいる契約農家さんにもしっかり指導をして品質を担保してもらっています。加工などの段階になると農家以外の会社さんも入ってきますが、私たちはさつまいもをよく知る“プロ”であって、生産のところから熟知しているわけです。そのプライドを持ってこれからも”おいしさ”を伝える仕事をしていきたいですね。それはもちろん自社のためでもありますが、同時になかなか地元に働き手が残らない実情も変えていかなければなりませんから。
ちなみにせっかくなので、美味しいさつまいもの食べ方を教えましょうか。焼き芋なんですけど、アルミホイルに包んで低温で1時間焼いて、高温にしてからさらに30分~1時間。途中で一度取り出して、少し揉んであげると糖度がさらに上がって美味しいです!手間ひまはかかりますが、ぜひ試してほしいですね。