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「話を聴く」ことについて

先日、義姉と食事をしていた時の話です。

休みの日に孫を連れて公園へ出掛けると、肩にウサギを乗せた高齢の男性がいて、それを見た孫たちは喜んで男性に駆け寄り、それをきっかけにしばらくおしゃべりをしたそうです。

その男性は定年退職後も社会と接点を持ちたいと思い、こうしてウサギを連れて出掛けては、そこで接点を持った人との交流を楽しんでいるとのことで、話題が豊富な彼との会話は楽しいながらも、なかなか途切れず切り上げるのが大変だったそうです。

子を持つ保護者の立場からすると、あまり歓迎されない手法だと思いますが、「孤立」「孤独死」が話題に上る一方で、人は「話を聞いてもらいたい」「人と繋がっていたい」欲求が根底にはあるんだね、という話で盛り上がりました。

私が就労支援をしていた時に感じたことですが、ある一定期間相談しても状況が変わらない場合、その時点では就職以上に本人を悩ます阻害要因があることがほとんどでした。
そこに本人が気づくと、途端に「その人にとっての最良な方向(必ずしも就職が最優先ではない)」に事は流れ始めます。
その方法が「話を聴く」ことでした。


「傾聴」とは

かつてはカウンセリングや看護といった場面で使われていた「傾聴」も、今ではビジネスシーンや日常のコミュニケーションの中でもその重要性が認識され、活用されています。
自分の知識の整理のためにも書き出していきます。


積極的傾聴(Active Listening)は、アメリカの心理学者であるカール・ロジャースが提唱した理論です。

それまでクライエントについての理論が多かった中で、ロジャースはカウンセラー側にスポットを当て、「カウンセラーはどうあるべきか」と説き、カウンセラーがどのような態度で臨めば、カウンセリングの過程が進むかを論じました。
以下が「カウンセリングに必要にして十分な三条件」です。


共感的理解

「相手の立場になって、相手の気持ちに共感しながら理解しようとする」と言うのは簡単ですが、実際これほど難しいことはないと思います。

同感は、相手の気持ちに巻き込まれて、自分との境界線があいまいになってしまう状態です。

そして私たちはつい、自分の体験に照らした準拠枠や色メガネで物事をとらえアドバイスをしてしまいがちです。
「頭」では相手の気持ちを理解していたとしても、それは共感とは異なります。

ロジャースのいう「共感的理解」とは、頭で相手を理解することでも、相手に巻き込まれて理解することでもなく、“あたかも相手の気持ちになったように”、相手の内側から理解することをいいます。


受容(無条件の積極的関心)

相手を、そして自分自身を無条件でありのまま認めることをいいます。
先ほどと同様、頭では分かっているつもりでも、自分とは相容れない価値観を目の前にした時、反射的に嫌悪感を抱いたり、恐怖を感じるのは、自分を守るための自然な反応だと思います。
それを感じた上で、積極的に相手を認めようとする姿勢が受容です。


自己一致・ジェニュインネス(邪気のない、本物性)

相手に共感し、受容する際に、実は一番重要なのは「自己一致」です。
誰しも理想と現実が一致していれば、ストレスのない健康的な望ましい状態かもしれませんが、実際のところは、常に理想と現実が完全に一致していることは少ないのではないでしょうか。

自分を過剰に大きく見せるのではなく、反対に過小評価せず、欠点をも含めて等身大の自分を認めることができれば、ありのままの相手を受容することもできる。
ロジャースは、カウンセラーのジェニュインネスを非常に重視したとのことです。

以上、平木典子先生の「新版 カウンセリングの話/朝日新聞社」を参考にさせていただきました。


傾聴の具体的アクション

以下は、テクニックとしての傾聴です。

相づち、うなづき等(身体含む)

相手に圧迫感を与えない位置に座る、相手の言葉にうなづくなどで安心感を与えます。


オウム返し

相手が言ったことをそのまま返すことです。
そうすることで、相手が自分の発言を客観的に捉え直すことができ、自分の気持ちを受け取ってもらえたという安心感にもつながります。

しかし、形式的にそのまま返すと不自然な印象を与え、返って不快にさせる可能性もあります。


要約して返す

相手の話を自分の言葉で要約して返すことです。
この方法のメリットは、相手側が「自分が話したことが正しく伝わっているかどうか」が確認できることです。違えば訂正することで、話の内容も信頼関係もより深まっていきます。
ただし、信頼関係が充分でないタイミングだと、要約が適切であっても感情面が優先して反発されることもあります。


オープンクエスチョン(開かれた質問)

「はい」「いいえ」など回答を限定するクローズドクエスチョン(閉じた質問)に対し、オープンクエスチョンとは、その逆で回答範囲を限定せず、自由に回答してもらう方法です。
具体的には「どんな音楽が好きですか」という質問に対して、回答者は自由に回答することができ、質問者側も多くの情報を引き出すことができます。その上でさらに会話を広げやすくなります。
ただ、回答者によってはオープンクエスチョンは、心理的負担が大きい場合もあるため、どちらがいい・悪いではなく、状況や相手に応じて上手に使い分けていけばいいと思います。


積極的に黙って「聴く」


以上、簡単に自分の振り返りを兼ねて整理してみました。

傾聴とは、ただ受け身で相手の話を聞くのではなく、むしろ積極的に相手と自分に関わる行為です。

傾聴では、聴く側は「聞く」は7~8割、「話す」は2~3割と言われていますが、「聴く」ことで相手の認識や行動を変えていくのですから、それはとてもパワフルな技術だと思っています。


内閣府の孤独・孤立の実態把握に関する全国調査で「孤独感がある」と回答した人の割合が4割に上ったことが分かり、年代別で見ると30歳代では46.1%、次いで20歳代が45.3%、50歳代が44.5%の順で、現役世代で孤独感を抱く人の割合が高かったとのことです。驚いたことに、これは家族や友人がいる人、仕事に従事している人も含まれています。

このような現状の中、傾聴のニーズや関心は高まり、各自治体では傾聴ボランティア養成講座が盛況で、募集をかければすぐに埋まってしまうそうです。

話を聞いてもらいたい人がいる。それはごくごく身近な人かもしれない。
傾聴を学ぶことはよりよい支援に繋がることは容易に想像できますが、テクニックを駆使しなくても、身近な人の話に耳を傾け、その人との対話の時間を慈しむことも、傾聴の第一歩なのかもしれません。



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