音楽部時代の追憶~いなむことのできぬ希望を信じ生きる

 Facebookから引用し、一部、今伝わりやすいように、また個人情報保護の観点で編集して掲載いたします。今年の夏の思い出。高校時代の追憶。

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「涙があるだろう
 今年も涙ながらの歌があるだろう」

 最初の一音を聴いて、ぶわっとあのときの何とも言いがたい感情が蘇ってきた。

 今夏、久しぶりに大掃除をして、部屋の片付けにとりかかったときに、一枚のCDを見つけた。
 音楽部の先輩が焼いてくださった、高校二年のときの合唱コンクール九州大会の音源だった。

 日付を見ると、10年前。
 10年前も、今も、いろいろ本当に大変だけど、だからこそ、当時も今も、この曲を聴くと、こうして涙が出るのだろう。こんなにもぐっとくるのだろう。
 歌は荒削りで、だからこそ、みんなの声が聞こえる。
 楽しいことばかりじゃなかったけど、あのとき、部活に打ち込んで、音楽部の一員でいられて心からよかったなと思います。

 顧問である音楽の先生の指揮と、コンクールと定期演奏会でいつもお迎えしていたピアニストさんのピアノで歌い、結果を待つ間に起こる歌のリレーで、なかなか回ってくることがないのにうちの高校に振ってもらえたのも、佐賀だったから帰りの時間が短くて、文化祭を残すばかりで、もう先輩と合唱できるの最後なんだって思うと、寂しくて名残惜しくてあっという間だったのもよく覚えてる。
 私は人前であまり泣けないから泣かなかったけど、ぼろぼろ泣いてた同期と同じくらい寂しくて感慨深かった。
 一年のときの三年の先輩方も、二年のときの三年の先輩方も、かわいい後輩たちも、そして少ない人数で個性もばらばらで、でも一番濃い時間を過ごした同期も大好きです。

 久しぶりに音楽の先生をしている知人とZOOMで連絡をとった際、今の状況下で音楽の授業も大変で、特に合唱は難しくて、でもやっぱり合唱の歓びを味わってほしいと工夫を凝らしていらっしゃるお話を伺った。奮闘される先生方には頭が上がらない。
 部活に打ち込めたことに感謝するとともに、一日も早く元の生活が戻ることを祈ります

「今年も歓びがあるだろう
 生きてゆくかぎり
 いなむことのできぬ希望が」

 どんなに辛くても、それを信じて、耐えて、いつか歓び合いたいと、願ってやみません。
 私の敬愛する音楽家の曲に同じ趣旨の歌詞があり、ちょうどそれを聴きながら見つけたのは何の因果か。
 今も昔も、音楽にいっぱい元気をもらってる。

【引用曲】
混声合唱とピアノのための「この星の上で」より
「今年」
作曲 松下耕
作詞 谷川俊太郎

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 私はメゾソプラノで歌った。この年東日本大震災があり、本当にいろんなことがあった。そんな中で、この歌を歌うということ。部員ひとりひとりが真剣に、週6日毎日向き合った。
 10年経った今、何の因果かこんな世の中になり、そんな今、みなさまに聴いてほしい。ただの思い出話に留めるにはもったいない曲だと思い、年の瀬押し迫る今だからこそ、立ち止まって、耳を傾けていただけたらうれしい。
 私たちの合唱音源は私の胸だけに留めさせていただく。代わりに、作曲家・合唱指揮者である、この曲を作られた松下耕さん主催のこちらをぜひ。

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