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今年のキーワードは「思い込み」

思い込みとは恐いものである。

ついこないだインフルエンザになった。脱水症状にならないように頑張って経口補水液「OS-1」だけをがぶ飲みしていたのだが、「それ、ダメダメ」と医者から注意されてしまった。どうやら、OS-1をたくさん飲んでしまうと、塩分過多になってしまう可能性があるようで、水と一緒に定期的にちびちびと飲むのがよいとのこと。知らなかったら、毎日健康のためと言いながら飲み続けていたに違いない。

思い込みの怖さといえば、インフルエンザにかからなくても、話題書「FACTFULNESS(ファクトフルネス)」(日経BP社)を読めば存分に味わえる。本書では、事実に基づく世界の見方を、データやグラフをふんだんに用いて説明。正しく世界を見るって口では簡単に言えるけど、やってみるとこれがなかなか難しい。人間とはなかなか事実に基づいて世界を見ることってできないものなんだな、と痛感させてくれる。バイアス(偏り/先入観)がかかるなんて言うけれど、この本では思い込み自体が人間のもつ本能であると捉え、それを10の本能に分解してくれる。そして、どうしたらそれらの本能を抑えることができるのかを具体的に指南。マーケティングに関わる人はマストバイ。年始めにいきなりのビジネス本大賞のグランプリ候補が爆誕。思い込みがあなたのビジネスの障害になっているかもしれない。

>「FACTFULNESS(ファクトフルネス)」(日経BP社)

そして、思い込みが起こした大惨事といえば2017年に開催された悪名高き音楽フェス「FYRE (ファイア) 」。主催者は、バハマにあるプライベートアイランドを貸し切って、超有名アーティストが豪華な環境でのパフォーマンスを行う”史上最高のラグジュアリーな音楽フェス”と謳い、高額チケットを販売。最も高額だった2,800万円のチケットも含め、完売させたものの、当初予定されていた島ではなかったり、電気や水の提供が不十分だったり、食事もおそまつなサンドイッチが出されたりと、まったく料金にそぐわない内容であったため、参加者から怒りの声が続出し、開催当日に、無期延期が発表されたフェスだ。スーパーモデルらが島で遊ぶシーンなどを使ったりして、SNSで散々期待値を煽り、その思い込みを利用した未曽有の詐欺事件となった。

そんな悪名高き音楽フェスFYREの裏側に迫った映像作品「FYRE: 夢に終わった史上最高のパーティー」がNetfrixで配信スタート。思い込みをコンテンツに、惨事を引き起こした主催者本人達に取材し、一連の真相を映し出しており、思い込みの怖さを追体験できる。

>FYRE: 夢に終わった史上最高のパーティー(1月18日配信)

僕らは思い込みの世界で生きている。時として、思い込みを操り、大惨事も引き起こしてしまう者もいる。SNS時代だからこそ、思い込みがいつも近くに潜んで呼び込んでくる。他人事ではない。思い込みを乗り越えていこう。

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