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【読書暦】2018年に読んだ本

【★☆☆☆☆】ダ メ【★★☆☆☆】普 通【★★★☆☆】面白い【★★★★☆】お薦め【★★★★★】名 作


★★★★☆ 「三つの魔法」ジェイン・ヨーレン ハヤカワ文庫FT 2018/12/20
★★★☆☆ 「動物記」新堂冬樹 角川文庫 2018/10/14 【再読】★★★☆☆ 「ムーミン谷のひみつ」冨原眞弓 ちくま文庫 2018/9/26
★★★☆☆ 「妖精王の月」O.R.メリング 講談社 2018/9/10
★★★☆☆ 「ボーン・アナリスト -骨を読み解く者-」テッド・コズマトカ ハヤカワ文庫SF 2018/8/24
★★★☆☆ 「アンボス・ムンドス―ふたつの世界」桐野夏生 文春文庫 2018/6/16
★★★☆☆ 「隣の家の少女 」ジャック・ケッチャム 扶桑社ミステリー 2018/5/24
★★★☆☆ 「太陽レンズの彼方へ―マッカンドルー航宙記 」チャールズ・シェフィールド 創元SF文庫 2018/3/24
★★★☆☆ 「人形佐七捕物帳」横溝正史 光文社時代小説文庫 2018/3/15
★★★★☆ 「新編 風の又三郎」宮沢賢治 新潮文庫 2018/2/27
★★★☆☆ 「ミラーマンの時間」筒井康隆 角川文庫 2018/1/16 【再読】
★★★☆☆ 「海底二万里」ジュール・ヴェルヌ 創元SF文庫 2018/1/6


 ファンタジー作家ジェイン・ヨーレン「三つの魔法」は、1985年の初版なので33年くらい前の本です。ブックオフのシール痕もページ後方の古本屋の値書きも入っていないので、ずっと昔新品で購入した本だと思います。その前に「夢織り女」という本もありましたが、非常に短い話が沢山入っていた本であること以外ほとんど内容は記憶にありません。一番直近で5~6年前に購入した絵本「月夜のみみずく」を持っています。この作家も、同じファンタジー作家タニス・リー同様に、数十年積み本してから読んで初めてその作品の凄さに気づかされました。

 今日本でこのようなファンタジーと言えば全部ライトノベル(以下ラノベ)になってしまいますが、古典的な文芸作品とコミケで買ったアマチュアコミックを比べるくらいの違いがあると思います。読書はただ面白ければそれで良いというものじゃない。どちらが上でどちらが下という意味でもありません。
 これをラノベと読み比べてその歴然たる違いを感じられなければ、それは目が腐っているとしか思えない。好き嫌いはあると思いますが、こういう本物のファンタジー小説を評価できない人は読書好きと思えない。
 多くの人は「ファンタジー小説なんて子供の読み物」というイメージをお持ちかと思いますが、それを世界的に評価されるスタジオジブリが映画にすると大騒ぎをして観に行きます。しかし彼らが原作や作品の元ネタにしているのは全て児童文学の秀作や海外のファンタジーです。むしろアニメ化は子供向けに作られています。
 映像化の原作にされるような児童文学やファンタジーは大人が読んでも楽しめるし、大人が読んでも難解な作品もあります。

ジェイン・ヨーレン

 ジェイン・ヨーレン「三つの魔法」を今になって読もうと思ったきっかけは、クックパッドの友人で英国在住ラマンマディラーラさんの娘さんがハロウィンで“海の魔女”に仮装したと日記に書いてあったことです。その時ちょうど本棚にいつ読もうかと思いながら置いてありました。たぶんその日記を読まなければ、またそのまま数年読まずにいたかも知れません。関係ないですが、きっかけを与えて頂いて感謝してます。

「三つの魔法」で最初に語られる海の魔女ドレッド・メアリー誕生の物語は、まるでアンデルセン童話「人魚姫」へのオマージュです。ですが話はたんなるオマージュに留まらず、王子との恋が実らなかった人魚は死ぬことはなく、漁師たちが恐れる伝説の海の魔女になります。そして彼女は主役ではありません。
 ある日彼女が偶然、主人公の女性に魔法を教えることになります。そしてそこまでが全体の序章で、本当の物語はそこから始まる長い話です。たった1センチの厚みの文庫本にそれが描かれているのが少し不思議に感じるくらいです。
 物語の本編では、恋の成就しなかった魔女ドレッド・メアリーの呪いによって生まれた暴君が国民を惑わせており、魔女から魔法を習って帰ってきた主人公のシアンナは、その暴君から恐れられることとなります。
 魔女とシアンナ、シアンナの母を繋ぐ“魔法のボタン”の存在によって物語は進行し、シアンナには息子が生まれます。とにかく凝った話ですが、決して読みにくくはなく、小難しくもありません。
 文庫の裏表紙の説明に、“現代のアンデルセンと謳われるジェイン・ヨーレン”と書いてありました。


 読書暦をつけるようになって初めて、年間の読書量が20冊を切りました。理由の一つにブログ記事を沢山書くようになったこともありますが、それまで最も時間を割いていた趣味が全て“倦怠期”に入りました。趣味や遊びを楽しむ気分が長期に渡りずっと萎えます。こういう状態は定期的に訪れます。今回読書量まで減ったのは、動画を観たりブログを書くことに熱中していたからでしょう。
 先日ある方がブログが楽しくなくなったとこぼしていましたが、そういう時はあまり悩まず、義務感を放棄して、一旦完全に休止してしまうことです。本当に好きなことへの気持ちは、時間が経てば何度でも甦ります。自分の経験では、無理に楽しもうとせず止めていると、1年ほど経った頃急にムクムクとヤル気が起きます。

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<(ↀωↀ)> May the Force be with you.