- 運営しているクリエイター
#変身ヒーロー
神影鎧装レツオウガ 第五十七話
戻る 総合目次 | マガジン | 進む
Chapter07 考査 03
翌日、日乃栄高校二年二組。今日も元気にざわつく生徒達の頭上に、きんこんとチャイムの音が響く。朝のホームルームの時間だ。
男女共々慌ただしく席に戻っていき、同時に担任の温井《ぬくい》先生が入室。
「はーいみんなおはようさん」
いつもの挨拶をしながら、いつもの歩調で教壇に登り、いつものように生徒全員を見回す。まったくもっ
神影鎧装レツオウガ 第五十五話
戻る 総合目次 | マガジン | 進む
Chapter07 考査 01
敵組織のエージェント、サトウが見つかった。
場所はイギリス南西部、モリオンの海岸付近。
辰巳や冥《メイ》の記憶、及び鎧装の録画映像等から照合した結果、間違いなく本人であると断定もされた。後は確認等の作業が行われた後、凪守《なぎもり》へ回される手筈になっている。
だが。
それでも、巌《いわお》はイギリスにやって来て
神影鎧装レツオウガ 第五十四話
戻る 総合目次 | マガジン | 進む
Chapter06 冥王 18
「あー」
気の抜けきった声を上げながら、巌は扉を開ける。
ファントム・ユニット執務室。壁掛け時計を見上げれば、時刻は午後二時少し過ぎ。
途端、空腹を訴え始める胃袋。時間の間隔を思い出したのだ。
腹をさする巌。だが今から食堂へ行っても、ごはんが出るまで大分時間がかかってしまう。
「どーすっかなあ」
「なぁに、ここで食
神影鎧装レツオウガ 第五十三話
戻る 総合目次 | マガジン | 進む
Chapter06 冥王 17『kill me』
三百年以上前。地獄の火クラブが終焉したその日から、ひたすらに自身の再生を求め続けてきた男達の、最初で最後の懇願。
その重さに、コクピット内の誰もが、一瞬言葉を失う。
『殺してくれ、か』
ぽつりと。
静寂を最初に破ったのは、モニタの向こうに居る冥《メイ》だった。
『よもや、僕の前でそんな妄言を吐くヤ
神影鎧装レツオウガ 第五十二話
戻る 総合目次 | マガジン | 進む
Chapter06 冥王 16 某所。
高級な調度品と、魔術的な品々が違和感なく調和している執務室。
その主たるザイード・ギャリガンは、部屋中央の机にゆったりと座っている。
頬杖。リラックスした姿勢。だがその目だけは、バインダーにファイルされた書類を淡々と追っていた。
「……」
一枚、また一枚。じっくり見据える書類の上には、忙しい筆記体のアルファ
神影鎧装レツオウガ 第五十一話
戻る 総合目次 | マガジン | 進む
Chapter06 冥王 15
神影鎧装バハムート・シャドー、その中枢たるフレームローダーのコクピット。
コンソールを制御する怪盗魔術師は、ひとまず頷いた。
「……よし」
取りあえず、目下の敵であるオウガと距離を離せた。後はニュートンの遺産の再封印が完了するまで、どうにか時間を稼げれば良い。
撃墜は不可能だろう。確かにこちらのブレス砲撃――正式名
神影鎧装レツオウガ 第四十九話
戻る 総合目次 | マガジン | 進む
Chapter06 冥王 13
二機の大鎧装のダンスは、いよいよ佳境に入ろうとしていた。
くるくると、大鎧装ライグランスが虚空を舞う。
くすくすと、パイロットのサラが楽しげに笑う。
「うふ、ふぅッ!」
笑いながら、短い呼気を吐く。その度に、ライグランスの太刀が閃く。
振り下ろし、薙ぎ払い、たまに蹴撃。搭乗者の技量と機体の性能が合わさった、華麗な