アロハスピリットとウィットニーからのキス。今日はハロウィーン。
ハワイ島のコナで過ごす朝。友達が2週間ほどサンフランシスコに戻る間、預かった愛犬ウィットニーと一緒に暮らしている。これでウィットニーのお世話も3回目。ピラニーズとシェパードミックスの彼女とはすっかり仲良しで、私を見るたびに嬉しそうな顔をしてキスの嵐。来週で8歳になる友達の愛犬と一緒に過ごす時間が、心の安らぎそのものだ。
起きるのが早い私たちは、毎朝6時半には日の出に合わせて散歩に出かける。野鳥のさえずりや、コキフロッグの夜明けの歌声が心地よく耳に響き、太平洋の広がりを見渡しながら歩くと、プルメリアの甘い香りがふわっと鼻をかすめる。この道、プアプアアヌイ(湧き出る泉)というハワイ語の名前らしいけれど、優しく美しい響きがなんだかこの島の空気そのものを表しているように思える。
今朝は散歩でご近所のゼルダとも再会した。7月に初めて会ったとき、ゼルダはたくさんのマンゴーをくれたんだけれど、今朝も彼女は「今はマンゴーないけど、みかんだったらあるよ!」と大きな笑顔で声をかけてくれた。英語に強い訛りがある彼女は多分ドイツ人かな?そんな温かな人柄に、あぁこれがアロハスピリットなんだなと感じる。島の人々が持つ穏やかで優しい気持ちが、私をすっかりリラックスさせてくれる。
そういえば、ハワイ島に最初に来たのは、もう20年ほど前のこと。家族旅行で、父がホノルルマラソンで70代の部で2位に入賞して、みんなでお祝いにハワイ島まで足を延ばしたのだ。海や緑の美しさ、自然に囲まれて過ごした家族との時間が、今も鮮やかに思い出される。あの時から私は、初めてなのに「昔ここに住んでいたのかな?」と感じるような不思議なデジャブーにとらわれていた。
それから何度もこの島を訪れているけれど、飛行機がコナの空港に近づくたび、なぜか涙があふれてくるのは不思議。マウイもカウアイも好きだけれど、ハワイ島はなぜか特別な感情を呼び起こしてくれる場所。強く厳しいペレもやっと私を信頼してくれているかも。そんな島での朝の散歩が、今の私にとって、いちばん贅沢で心が落ち着く時間かもしれない。
そして今日はハロウィーン。ご近所では大通りが閉鎖されるほどの大賑わいになるらしい。ウィットニーとどんな仮装が見られるか楽しみにしながら、またこの島に心からの「アロハ」を感じている。ハッピーハロウィン!