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小説 「あの丘の上の楽園で会おう」 序章
突然、わたしたちの住む星を襲った感染症のパンデミック。
外に出ることを一切許されずに過ごした数ヶ月。
未来の見えない不安を感じる日々の中で、ここに取り残されたわたしたちは対話を重ねた。
誰にも話すことのなかった、わたしたちの家族の喪失と再生の物語を。
なぜ、わたしたちはこの時代のこの場所で出逢ったのか。
その答えは誰にもわからない。
一つだけわかることは、わたしたちには語るべき物語と知るべき物語がある。
伝えたい、伝えなくてはいけない。
知りたい、知らなくてはいけない。
このタイミングにも、出逢った場所にも、全て意味があるのだ。
舞台は、マレーシアのクアラルンプールの大都会の丘の上にそびえ立つ、緑に囲まれた丘の上の古いコンドミニアム。
「あの丘の上の楽園で会おう」
わたしたちは、この時代に生まれて来た。
そして、ここをこの時に、生きる場所として選んだ。
その約束を果たすために。
この作品は、日本占領期のマラヤにおいて、筆者と対話を重ねた本人やその祖先が体験した内容の証言や歴史的事実をもとに、小説的に構成したものである。登場する作中の主人公とその家族、友人などは架空の人物である。
太平洋戦争は、数多くの悲しみと愛のドラマを生んだ。
生存者が次々にこの世を去る中で、戦争を知らない世代の筆者が日々出逢う人々との対話の中で、後世に残すべき物語を小説のスタイルで綴っていく。
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