見出し画像

何もない場所に住むこと【ハノイ10日目】

ベトナムに来て今日で10日目。自分でベトナム移住を決めたのに、出発前にすでホームシックをこじらせ、毎晩泣いていた。なんて信じられないくらい、私のベトナム生活は順調だ。


住むところも、入居した頃はここで大丈夫かな…と思っていたけれど、スーパーで掃除用具を買い揃え、床をキレイに磨き上げ、お風呂のマットレスを交換し、蚊対策に蚊帳を準備し、今では落ち着ける「私の部屋」になった。


そうそう、ベトナムに越してきてから、早起きになった。別に早く起きようと思ってるわけではないんだけど、なんせ近所の鶏が6時前になると、鳴き出すもんだから、うるさくて寝ていられないのだ。

起きて顔を洗って、朝ごはんにバナナを食べる。日本で食べるものより、ベトナムで取れたバナナは味が濃くておいしい。

朝ごはんを食べたあと、洗濯をして、時間があるときはヨガ「太陽礼拝」なんかをしちゃったりする。その後、音楽を聞きながら部屋を整えて8時前に家を出る。


私がお手伝いしている日本語学校は8時から授業が始まる。こんな朝早くから授業が始まるなんて、きっと学生さんも寝ぼけたままだろう。なんて思っていたけど、みんな遅刻もせず朝イチから元気だ。

もともと私はチューターとして、語学学校の校舎にいればいいと言われていた。しかし私は人に何かを教えるのが好きで。ロビーにだまって座っておけず、今では教壇にたって授業をしている。日本語教師の資格はないけれど、クラスのみんなと日々会話できることが増えていくのが楽しい。


8時から11時半まで(間に30分の休みあり)授業をしたら、また家に帰る。だいたいバイクで3分くらい。ベトナムのデンジャラスな交通事情が怖い私は、バイクが運転できない。毎日生徒や、同僚のベトナム人先生に送り届けてもらう。

昼休みは13時半まで。2時間もある休み時間。まずは家の隣にある食堂に行き、お弁当を買って家で食べる。お腹いっぱい食べて、1食100円なんだからびっくりだ。

お腹いっぱいになった後は、朝に干した洗濯物を取り込み、イラストを描いたり、ドラマを見たりして過ごす。30分ほど昼寝をすることもある。


お昼からはまた再び学校に戻る。教壇に立って生徒に日本語を教える日もあれば、ロビーで仕事をしたり、Adobeソフトの練習をしたり、Twitterを見たり…。午後はその時にしたいなぁと思っていたことをのんびりする時間。

4時半に1日の授業がすべて終わる。

私は学校が終わると、よくカメラを持って、家の周りをうろうろと歩き回る。道端でチェス? をしているおじさんたちに片言のベトナム語で話しかけて、写真を取らせてもらうことも、小さな子どもと一緒に遊んでもらうこともある。

ハノイの田舎の人たちはとても人懐っこい。外国人が珍しいからということもあるだろう。ボーッと歩いているだけで、色んな人がこっちおいでよと私を手まねきしてくれる。

歩き疲れたら、偶然見つけたカフェでコーヒーを飲み、本を読むという優雅な午後を過ごす。


晩ごはんは近所のスーパーでお惣菜を買うことが多い。お惣菜屋さんではときどき、ピザやハンバーグなど、洋食のおかずが販売されていることがあって、ベトナム料理を食べ続けている私の口を少し休ませるのだ。

夜7時、あたりは暗くなる。家の前にある日用雑貨屋も、隣にある食堂もみな閉店だ。人々は家に帰る。帰って家族と過ごすのだ。


夜になると暗くなる。当たり前のことなんだけど、スゴイことだなーと毎日思う。私が住んでいた京都なら、夜の7時は宴のはじまる時間。レストランのネオンがつき、居酒屋紹介お兄さんに「今日の店、決まりましたか?」と声をかけられる時間帯だ。

晩ごはんをすませ、お風呂に入り、浴室の掃除をする。この時点でまだ8時にもなっていない。日本の生活から考えると信じられないくらい、「巻いて」いる。

夜は基本的に仕事をしないことにしている。そこでまた本を読んだり、ネットサーフィンをしたり、絵を描いてすごす。夜の時間がたっぷりあるから、日中やり残したことをのんびりと片付けていく。

たっぷり自分の時間を楽しんだ後、夜の10時には床につく。


そして翌朝また6時前に起きるのだ。

睡眠時間をたっぷり取っている、ヨガと散歩のおかげで運動も足りている。食事も決まった時間に3食食べれている。日本とは違い、言葉も通じなくて不便なことが多いけれど、生活が整っているので、「まぁ、そんなこともあるか」と受け取めたあとに、ちゃんと感じたストレスを手放すことができるようになった。


朝日で目覚め、太陽が見えるときに働いて、暗い夜を迎える。

「基本」が出来ていると、幸福度があがる。間違いない。とハノイ10日目の今日、思ったのでした。


−−−

Twitterでも偏愛と思いつきをつぶやいています



読んでくださって本当に嬉しいです! いただいたサポートにいつも励まされています。