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ティッシュ、ありますか?

私が大学生の時の、アルバイト先での話。

以下、お客さんと私の会話。

(バイト先はどこだろう?想像しながら読んでみよう。)

お客さん
「ティッシュ、ありますか?」


「え、ティッシュですか?」

ティッシュ?なんでティッシュ?

お客さん
「ティッシュ、ありますか?」

ちょっと強くなる口調

 
「申し訳ございません。今ないんです。」

やっぱりティッシュって言ってる。ちょうど今ないんだよな…

お客さん
「…わかりました。」

残念そうな顔をして帰っていくお客さん。

******

バイトから帰宅後、母にこの話をすると…


「それ、キッシュじゃないの??」

母爆笑

キッシュ…

その時私は、はじめて「キッシュ」の存在を知った。

え…
なにそれ。

もうお分かりだと思うが、私のバイト先は
パン屋である。

キッシュを求めてきた、お客さん。
キッシュの存在すら知らない、アルバイト。

ちなみにバイト先では「キッシュ」は取り扱っていなかったので、「ない」という回答は正しかった。

ホッ。(←ホッ、じゃないだろw)

******

たまたまティッシュがなかった。

もしあったら、お客さんにティッシュを1枚渡していたかもしれない…

うーん。
無知って怖い。

でもこの経験から、

「お店の人だから、当然知ってるだろう」

という思い込みから、卒業することができた。
たぶん。

「お店の人も、知らないかもしれない」
「聞いてはみるけど、分からないかもしれない」

だってキッシュ知らなかったもん。


みんな、知らないことだらけなのだ。

バカボンのパパなのだ。
これでいいのだ。

私にとって、パン屋ははじめてのバイト先だったが、これが学べただけでも十分だったのではと思っている。

******

もうすぐ4月。
新生活がはじまり、新たな場所で働く人もいるだろう。

もちろん、不慣れな人もいる。

パン屋でキッシュをたずねたら、ティッシュを差し出されるかもしれない。

そしたら笑って、こう言ってあげよう。


これでいいのだ〜!

〈あとがき〉
Eテレの「キッチン戦隊クックルン」という番組でキッシュ作りをしているのを見て、この話を思い出しました。
「え?ティッシュ?」とケラケラ笑いながら番組を見ていた次女(5歳)。蛙の子は蛙、ってそういうことなのか?知らんけど。
今日もありがとうございました。

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