しつけなんてかわいそう?

こんにちは、犬の飼い主さんとお話していると、いろんなタイプの飼い方をしていらっしゃいます。今日はどんなライフスタイルを目指していくとよいのか、ということをお話したいな、と思います。

1.犬を飼い始めた動機は?

昔も犬を飼っていたから、子供に犬との生活をなれさせたいから、一人で暮らしていて癒やしがほしいから、いろんな理由を伺います。今では少数派になってきていますが、番犬代わりに飼い始めたなんて方もいらっしゃいます。

最近ではコロナで学校が休校になって、お子様の相手をしてもらうために飼い始めたという方もいらっしゃいます。

いろんな動機があってよいと思います。ただ注意しなくてはいけないのが、社会通念上、犬は飼い主が管理をしないといけないということです。社会の一員として、人間に迷惑をかけてはいけないし、家族の一員としてハウスルールも学んでもらわないといけません。これができていないと「しつけができていないワンちゃん」なんて言われちゃうことがあるかもしれません。


2.社会の一員としての犬が守るべきルール

人間に迷惑をかけないということは具体的になんでしょうか?実際に犬が守るべき社会のルールは日々変わっていますし、環境に応じても変わってくると思います。例えば、広い郊外に住んでいるご家庭では、犬が吠えてもさほど問題ではないかもしれません。ただ、都会のマンションで吠えると近隣の方から注意されることがあるかもしれません。一般的には以下のルールが守れるとマナーのよいワンちゃんと言われます。

・人間の体、洋服、靴を咬まない
・他の犬、猫などの動物を咬まない
・無駄吠えしない
・社会化され、子供や車などに慣れている、挨拶ができる
・公共物にマーキング、排泄をしない
・人間に飛びつかない
・トリミング・動物病院でおとなしくできる


3.家族の一員として守るべきハウスルール

では、一方家庭の中ではどうでしょうか?ご家庭によっても様々だと思いますが、少なくとも守って欲しいルールとしてこんなことがあるんじゃないかなと思います。

・家族に吠えない、唸らない、甘噛みしない
・来客者に吠えない、咬まない、攻撃行動を取らない
・家具など噛んではいけないものを噛まない
・テーブルやキッチンなど入ってはいけないところに入らない
・洗濯機、掃除機、冷蔵庫などの家電の音に慣れている
・人間の食事を要求しない、食べてはいけないものを食べない
・トイレシート以外でマーキング、排泄しない
・散歩中にリードを引っ張らない
・お留守番ができる


4.ルールが守れないとどうなるの?

わたしも正直「かわいいから」「一人暮らしで寂しいから」という理由だけで、小型犬を飼い始めたんです。子犬はかわいいし、小さいし、甘噛みしても、大した力ではないですね。ですが、大きくなってくると痛いし、お散歩のときはぐいぐい引っ張るし、これはまずいと気づきました。

実は、動物の行動というのは一度発現し、学習を行うと、どんどん程度も頻度もエスカレートしていきます。人間を甘噛みするという行動が表現されたときに止めて、いけないよ!ということをルールとして教えるべきだったのです。問題行動のご相談を受けている中でも、徐々に行動がひどくなっていくのをうまく止められなかった、ルールを教えられなかったというパターンがほとんどです。


5.どうやってルールを教えるの?

一番最初に飼い主さんにお願いしているのが、ルールを守ることの重要性です。2と3を読んで、このルールは守らなくて良いというものはありましたか?どれも必要なルールだと思ってくださった方がほとんどだと思いますが、このルールが破られたとき※に、どんなことをしているでしょうか?実は「敢えて見逃している」飼い主さんが非常に多いんです。例えば・・・

・散歩中にリードを引っ張る
 →うちの子は外が大好きだから、引っ張るのは仕方がないよね
・人間の食事を要求する
 →人間がテーブルから落としたお肉を食べちゃうのは犬だから仕方ないようね、こっちのほうがおいしいもんね
・散歩中にマーキングを頻繁に行う
 →犬が散歩中にマーキングするのは犬の習性だから、かわいそうだよね

このように、「仕方ないよね」「かわいそうだよね」なんて思ってルールに例外を設けていないでしょうか?例外があると、犬はそのルールがルーズなものだということに気づき、守らなくなります。ルールを決めたら、そのルールを守れるように管理をしていきましょう。例えば・・・

・散歩中にリードを引っ張る
 →リードを引っ張るのをやめるまで、歩かない
・人間の食事を要求する
 →人間が食事をするときは、ケージの中に入れる(隔離する)
・散歩中にマーキングを頻繁に行う
 →してもいい場所を決めて、それ以外はさせない(庭などにマーキングして良い場所を作る)

※ルールが破られたときに叱ったり、罰を与える必要はありません。正しい行動を教えるトレーニングをしているか、ということです。


6.ルールを教えるのに必要なこと

ルールを教えるのには、基礎的な行動パターンを増やしておく必要があります。人間のご飯を要求するワンちゃんの場合、隔離しておくのも一つですが、オスワリ+マテができるといいですよね。そこでいわゆるオビディエンストレーニングやしつけというものが必要になります。ルールを徹底するのと同時に犬とのコミュニケーションの幅を増やしていくことが非常に重要です。

7.それでもしつけなんてしたくない

それでもしつけなんてしたくないってお声をいただくことがあります。理由を伺うと

「トレーニングするなんてかわいそう」
「犬が嫌がるからしたくない」
「犬らしく生活させてあげたい、人間の都合を押し付けたくない」

なんておっしゃいます。どれも理解できます。が、そういう方ほど「犬が動物である」ということを忘れているんじゃないかと思います。社会の一員としてルールを守った生活できないと、何かトラブルが発生したときに、飼い主さんが困るだけではなく、犬自身も困ることになります。

また、ルールが守れるワンちゃんしかできない特権もたくさんあります!例えば旅行に連れて行ったり、ドッグランに行ったり、いろんなところに飼い主さんと一緒に出かけられるようになるのは、すごく犬にとっても楽しそうだと思いませんか?

欧米では、犬と上手に付き合えている飼い主さんが多く、ルールを守れるようにしつけをしています。そのため、犬同伴で入れる施設や公共交通機関が非常に多いんですよ!マナーが守れるワンちゃんが増えれば、社会の一員としての地位が向上していくなんてこともあると思います。

今隣りにいるワンちゃんのために、そしてこれから迎え入れるワンちゃんのよりよい生活のためにも、ぜひ、しつけやトレーニングは活用してみてくださいね!


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