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【悪い癖】他の犬に吠えちゃう・・・!

お散歩中やドッグランで吠えるワンちゃん、見かけること多いと思います。吠えるということは犬の正常行動ですので、吠えという行動自体は全く悪いことではありません。

ですが、お散歩中他の犬を見かけるたびに吠えちゃう、そんなワンちゃんはちょっと困りますよね。そもそもどうして吠えてしまうのか、どんなトレーニングをしたらいいのかご紹介します。


1.犬の世界を考えてみる

まず、犬に対して吠えるという状況において、犬はそもそもどんな気持ちでいるのでしょうか?他の犬という刺激に対して、「嬉しくて吠えてる」「嫌で吠えてる」どちらのケースか、ということを把握することが大事です。

よく飼い主さんが、「しっぽを振っているから喜んでいるに違いない」なんて話をしてくださるんですが、実は怖くて興奮してしっぽを振っていることがあります。しっぽを振っているかどうかということは犬の興奮の状態を示すだけで、嬉しいのか、嫌がっているのかということは判断できません。

こちらの記事でも紹介していますが、犬は自分の気持ちを飼い主さんに伝えることができません。コミュニケーションをとるためには、「犬の気持ちをボディランゲージから飼い主さんが読み取る」必要があります。

とはいえ、ボディランゲージが読み取りづらい犬もいますので、もし以下の状態があれば、「嫌で吠えてるんだ」と考えます。

・鼻にしわを寄せる
・唸る
・空噛みする、噛みつく素振りがある
・相手の犬が近づいてくると飛びずさる、しっぽが下がる
・遠くから聞こえる犬の吠え声に大きく反応する、吠え返す


特に飼い主さんがおっしゃるのが、「他の犬を見るととにかく興奮しちゃう」という状態ですが、この場合もたいがい犬が嫌いなワンちゃんが多いです。怖くて不安でしかたないので、どうしようどうしよう!ってパニックになっている状態です。


2.興奮している状態では絶対に他の犬に近づけない

吠えていたり、飛び掛かろうとしているような状態では、絶対に他の犬に近づけないほうがいいです。とにかく相手の犬から距離を取ってください。

もし、他の犬が嫌いだったとして、他の犬がそばにきたらどうなるでしょう?当然、追い払いたいので、余計に吠えたり、いろんな行動を取ってきます。場合によっては咬んだりすることもあります。

ついつい、「犬と仲良くなってほしい!」と思ってしまいますが、こんな状態ではお互いに不幸な結果になりかねません。興奮しているときは、落ち着くまで距離を取って待つのが最善です。

Tips
距離を取っても興奮がおさまらないのであれば、まだその距離が足りていないということです。もっと遠ざかります。ワンちゃんによっては視界に入っているだけで吠えるという子もいますので、その子が落ち着くまで距離をとってあげてください。


3.他の犬という刺激を小さくするトレーニング

できれば、犬は犬同士、仲良くなってほしいですよね。でも自分のワンちゃんが他の犬が嫌い、苦手、となっているのは、社会化が不足しているからです。

外に出ないまま社会化期が過ぎてしまって、犬が苦手になってしまったというワンちゃんは非常に多いです。そういうときは、以下のようなトレーニングを行っていきます。

■先行刺激の変更

他の犬=怖い、不安・・・とワンちゃんが感じているのであれば、
他の犬=おいしいもの=楽しい!と変えていきます。他の犬を見かけたらご褒美を与えていきましょう。この練習は、犬を見かけたらご褒美を食べるという練習が必要なので、

他の犬という刺激 < ご褒美

でないと、ご褒美を食べてくれません。ご褒美を食べてくれないときは、他の犬から距離を取る、ご褒美のランクを上げるなどして、他の犬=おいしいもの=楽しい!としていきましょう。

このご褒美は必ずしもおいしいものでなくともかまいません。遊ぶのが好きな子にはボールを見せる、なんてことも有効な場合があります。とにかくワンちゃんが好きなことを飼い主さんが提示してあげて、他の犬=楽しいことが始まるサイン!とワンちゃんが認識することが大事です。

とはいえ、お散歩中に犬に会う機会が限られているというご家庭も多いと思います。そういうときは、Youtubeで犬の吠え声や息遣いを聞かせてあげたり、ペットショップや動物病院の前を通るなんてこともおすすめです。


4.良い行動を教える

次に本当は犬にどんな行動を取ってほしいか、ということを教えていきます。犬を見かけたら「アイコンタクト」「オスワリ」やお散歩中は「飼い主さんと一緒に歩き続ける」なんて行動が一番いいですよね。

なので犬を見かけたら、正しい行動=「アイコンタクト」「オスワリ」や「ヒールウォーク」の指示を出していきます。

他の犬=アイコンタクト=ご褒美
他の犬=オスワリ=ご褒美
他の犬=ヒールウォーク=ご褒美

他の犬=吠える=ご褒美なし

吠えたらご褒美もらえないけど、代わりに正しい行動を取ったらご褒美が出てくるよ、というルールにしてどんどん正しい行動というのを学習させていきます。

この正しい行動の学習がないと、ワンちゃんにとっても不公平ですよね。飼い主さんが問題だと思っている行動を表現しているのは、正しい行動を知らないから、というだけかもしれません。本当はワンちゃんだって吠えたくて吠えているわけではないかもしれないですよ!

もしオビディエンストレーニング(ベーシックトレーニング)をしておらず、正しい行動を指示することができないのであれば、「吠える」行動以外の許容できる行動をすべて褒めていきます。例えば

他の犬=ぼーっと立ってる=ご褒美
他の犬=遊んでる=ご褒美
他の犬=地面のにおいを嗅いでいる=ご褒美

他の犬=吠える=ご褒美なし

吠えたらご褒美がもらえないけれど、それ以外の行動はすべてご褒美がもらえる!になってくると、ワンちゃんもだんだん吠えるより、他の行動を取ったほうが自分にとって良い結果がもたらされる、と学習してくれます。


5.だんだん距離を縮めていく

4.まではご褒美を与えていく、ということが重要な段階なので、他の犬と十分に距離を取りながら進めていきます。ここまでができるようになったら、次は他の犬と徐々に距離を近づけていってみましょう。

このとき重要なのは無理をさせない、ということです。無理をしてしまうと、恐怖や不安がまた大きくなってしまって、今まで学習させたよいことが水の泡になってしまいます。。。また接しようとしている犬がどんな犬なのか、ということも重要です。おとなしくて吠えたりすることのない犬と練習できるとよいですね。吠えたり、飛び掛かってくる犬はまだまだ刺激が大きいと思います。ずっとオスワリしてくれるような犬を使って練習していくとよいと思います。

もし、この練習をしているときにワンちゃんがまた吠えるようになったら、前の段階の距離まで戻します。5メートルまではOKだけど、4メートルは吠える、のであれば、一度5メートルまで戻してそこから4.5メートル(半分)でやってみます。それがOKだったら次は一歩だけ近づけてみる、さらに一歩ずつ近づいてみる、なんてことをしていきます。

5.のステップでは4で習得した正しい行動や「吠える」以外の許容可能な行動にすべてご褒美を与えていくようにします。

4.まとめ

怖がっているワンちゃんを無理強いして他の犬と接触させて、より恐怖を悪化させているケースをよく拝見します。まずはワンちゃんが何を感じているかということを観察して、その恐怖の程度にあわせたトレーニングをしていってあげてくださいね!

もしすでに他の犬を咬んだり攻撃行動が出ている場合は、プロへのご相談もおすすめします。

他の犬が怖くないってなれば、ドッグランに連れて行ったり、ドッグカフェに連れて行ったり、いろんなことができるようになりますよね!徐々に徐々に練習を重ねていくことで、より充実したワンちゃんとの生活になること、間違いなしですよ!



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