横浜マイクロホン

2021年創業の日本のマイクロホンメーカー。 新技術を採用した次世代マイクを設計開発し…

横浜マイクロホン

2021年創業の日本のマイクロホンメーカー。 新技術を採用した次世代マイクを設計開発しています。 もちろんMade in JAPAN。 1人だからこそ作れる、新しいおもしろいマイクがあります。

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はじめに

マイクは音波を機械振動に変え、 更にそれを電気信号に変える変換器です。 入力される音波は目には見えないものですし、 出力される電気信号も目には見えないものなので、 マイクというのは、とてもわかりづらい製品です。 そのせいか、マイクに興味がある人は少なく、 マイクについて勉強する機会や教材も少ないので、 間違った知識が伝聞で広まってしまっていたりもよくします。 あとは原理を基にした使い方ではなく、 勘や経験を基にした使い方に偏ってしまっていたりとか。 (日本では特にその傾向が

    • 開業3周年に思うこと

      2024年5月1日で開業して丸3年。 今思うことを書き残しておきます。 皆様への感謝日本での開業後の廃業率は、 3年で大体50%くらいだと聞いたことがあります。 廃業する理由は様々だとは思いますが、 まずは自分がこの仕事を続けられていることを皆様に感謝したいです。 本当にありがとうございます! マイクを買ってくれた方々はもちろん、 宣伝や紹介をしてくれた方々、 試作品の評価をしてくれた方々、 録音を手伝ってくれた方々、 動画にしてくれた方々、 部品を作ってくれた方々、 悩

      • 新製品コンデンサーマイクについて

        新製品であるサイドアドレスコンデンサーマイクについての情報を 随時、追記していきます。 機種名himawariとajisaiです。 2機種同時発売となります。 発売日(受注開始日)2024年4月1日(月) AM9:00頃に受注開始です。 価格税込で385,000円です。 なお2024年4月30日までは台数限定の特別価格で30%引きの269,500円です。 早い者勝ちです。 1stロットの台数2機種合計で20台です。 各10台で受注開始しますが、 もしどちらかの機種に注

        • 横浜マイクロホンのロゴ作成経緯

          前回の屋号の話に引き続き、 横浜マイクロホンのロゴがどうしてこうなったのか、 その作成の経緯を書こうと思います。 まずはブランドコンセプトロゴの前にまずブランドコンセプトを決めました。 ブランドコンセプトは「植物のように」。 その意図は、 「桜の木が好きな人もいれば、紅葉の木が好きな人もいます。 そこには優劣があるわけではなく、好みや相性があるだけ。 芽が出れば喜び、花が咲けば驚き、実がなれば楽しくなるように、 マイクロホンで人を喜ばせ、驚かせ、楽しませたい。 力強く根を張

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          屋号を「横浜マイクロホン」とした理由

          創業して1年が経ちました。 屋号を「横浜マイクロホン」とした理由を この機会に書こうかなと思います。 まず横浜マイクロホンは法人(いわゆる会社)ではなくて、 個人事業主です。 1人でやってます。 なので自分の本名だけでやっても別に良いのですが、 やっぱりユーザー目線で考えると メーカーらしい名前があった方が覚えやすく、 呼びやすいかなと思い、屋号をつけることにしました。 次に屋号を考え始めたわけですが、 外国語っぽいのとか凝ったのとかにすると 後々変えたくなりそうだったの

          屋号を「横浜マイクロホン」とした理由

          なぜ横浜マイクロホンを開業したのか?

          私はオーディオテクニカで13年間マイクロホンの設計をしてきました。 テクニカに勤めていた方が経済的に安定なのに、 なぜわざわざリスクを取ってまで個人事業主として開業したのか? その理由をまとめてみます。 (別に為になる有益な話とかではないので、身の上話に興味ある人だけお読みください。)

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          なぜ横浜マイクロホンを開業したのか?

          楽器屋さんへの卸販売

          このたび宮地楽器さんと島村楽器さん、そしてSonixさんにて sakuraやmomijiを取り扱っていただけることとなりました。 当初は楽器屋さんへは卸すつもりはなかったのですが、 考えを改めることとなった経緯をまとめたいと思います。 なぜ今まで楽器屋さんへ卸さなかったのか?発売直後から宮地楽器さんや島村楽器さんから、 ありがたいことに卸販売のお話をいただいていました。 しかし一旦はそれらをお断りしていました。 それは開業時に下記のようなことを考えていたからです。 (1)

          楽器屋さんへの卸販売

          ダイナミックマイクにファントム電源をかけたら壊れるのか?

          ダイナミックマイクにファントム電源をかけたら壊れるのか? 原理や理屈から考えてみたいと思います。 そもそもファントム電源って何?という方は、 下記記事をご覧ください。

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          ダイナミックマイクにファントム電源をかけたら壊れるのか…

          6つのスペックの関係性

          感度、自己雑音、最大入力、S/N、ヘッドマージン、ダイナミックレンジ。 この6つのスペックの関係性をまとめてみます。

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          6つのスペックの関係性

          ファントム電源

          規格IEC 61938またはJEITA RC-8162で規定されています。 詳細を知りたい方はそちらを参照してください。 電圧ファントム電源は、 48V、24V、12Vの3種類のみです。 その他の電圧のものはありません。 現実ではたまに中途半端な電圧の製品を見かけますが、 規格を守ってない製品ということです。 精度としては、 48Vは±4V 24Vは±4V 12Vは±1V におさまる必要があります。 供給抵抗48Vなら6.8kΩ 24Vなら1.2kΩ 12Vなら680

          ファントム電源

          マイクのヘッドルームマージン

          定義ヘッドルームマージンとは、 基準レベル(マイクの場合は感度)から 歪む限界(マイクの場合は最大入力)までの余裕度を表します。 単位はdBです。 省略して「ヘッドルーム」や 「ヘッドマージン」と呼ばれることが多いです。 私も普段はヘッドマージンと呼んでいるので、 以下そのように省略します。 計算方法最大入力の値から感度の値を引き算します。 例えば最大入力が154dB SPLの場合は、 154-94=60となり、 ヘッドマージンは60dBということになります。 (感度は9

          マイクのヘッドルームマージン

          ラージオムニは高域がオムニじゃない

          マイクの収音の基準位置は、 筐体の先端とかではなく、 ダイヤフラムの中心で考えます。 ダイヤフラムはある物理的な直径を持ち、 当然その周りには何かしらの構造体を持つため、 90度からの音は、 回り込んでダイヤフラムの中心に 到達しなければならないので、 回折しづらい高域ほど落ちます。 180度からの音は、 回り込まなければいけない距離が増えるので、 更に高域が落ちます。 これはオムニでもカーディオイドでも、 ダイナミックでもコンデンサーでも起こりますが、 別の要素の影響でわ

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          ラージダイヤフラムとスモールダイヤフラム

          ラージダイヤフラムとスモールダイヤフラムの メリットの比較をしてみます。 タイプ別で少し変わるので、 主要な3つのタイプで書いてみました。 カーディオイド コンデンサーの場合ラージダイヤフラムのメリット ・S/Nが高い ・低域が伸ばしやすい スモールダイヤフラムのメリット ・高域が伸ばしやすい ・数値上は周波数範囲が広くなる ・コストが抑えられる ・大きな音にも耐えやすい ・作りやすい オムニ コンデンサーの場合ラージダイヤフラムのメリット ・S/Nが高い スモールダ

          ラージダイヤフラムとスモールダイヤフラム

          マイクのボディエフェクト

          ボディエフェクトってご存知ですか? マイクで声を録る場合、 人間の体の反射の影響を受けるので、 スペックシート通りの特性になりません。 とはいえ人間の体なしでは声は出ないので、 仕方ないのですが…。 「体」というのは、 もちろん頭や手なども含みます。 マイクの保持の仕方(手で持つのか、服に付けるのか、スタンドに立てるのかなど)、口からマイクまでの距離(オンなのかオフなのか)などによってもボディエフェクトの影響度合いが変わります。

          マイクのボディエフェクト

          マイクに風が当たるとなぜ低い音がするのか?

          風や息がマイクに当たると ボボボと低い音がする理由。 風は行ったらぶつからない限り戻って来ません。 つまりは直流です。 直流=0Hz。 でも風を受けた振動板は エッジが固定されているので、 ある程度行ったら戻るので 直流(0Hz)ではなく交流(1Hz以上)となり、 低い音になって録れてしまうわけです。 ちなみにピューピューいう風切り音はまた別の話です。 ダイヤフラム関係ありません。 (録音しなくても聞こえますよね。) あれは空気の渦の発生によって鳴っているそうです。

          マイクに風が当たるとなぜ低い音がするのか?

          軽いボイスコイルと重いボイスコイル

          軽いボイスコイルのメリット・音波へのレスポンスが速い ・振動雑音が少ない ・ハムノイズに強い 重いボイスコイルのメリット・低域が伸ばしやすい ・感度が高い 補足もちろん上記性能は他の要素でも大きく変わるので、 あくまでもボイスコイル部のみでの比較です。 ちなみにここでは単純化のため、 軽い/重いは、巻数が少ない/多いとイコールだと仮定しています。 現実的には線材が異なれば 質量が異なることも考慮する必要があります。 おまけの話横浜マイクロホンでは、 極力軽いボイスコイ

          軽いボイスコイルと重いボイスコイル