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新製品コンデンサーマイクについて

新製品であるサイドアドレスコンデンサーマイクについての情報を
随時、追記していきます。


試作品の外観

機種名

himawariとajisaiです。
2機種同時発売となります。

発売日(受注開始日)

2024年4月1日(月) AM9:00頃に受注開始です。

価格

税込で385,000円です。
なお2024年4月30日までは台数限定の特別価格で30%引きの269,500円です。
早い者勝ちです。

1stロットの台数

2機種合計で20台です。
各10台で受注開始しますが、
もしどちらかの機種に注文が偏った場合は、
台数の比率を変える可能性はあります。
いずれにしても最大で20台です。

1stロットの出荷日

2024年9月予定です。
ただし初ロットなので予測不可能な部分もあるため、あくまで目安です。

【追記】筐体部品の金属切削加工の遅れにより、2024年12月上旬出荷に延期させてください。すみません。

2機種の違い

それはトランス出力か、トランスレス出力かの違いです。
回路の最終段でトランスによってバランス信号にしているものと、トランジスターによってバランス信号にしているものとをそれぞれ設計しました。
音質や性能に微妙な違いがあります。
カプセルや筐体などは共通です。
回路の入力段はいずれもFETです。

あえて言うなら、トランス出力の機種①はボーカルなど人間の声を録る用途を主に想定しており、トランスレス出力の機種②は楽器などの音を録る用途を主に想定しています。
とはいえ、何に使うかはユーザーのアイディア次第なのでご自由に選んで使っていただいて大丈夫です。
変に偏った音質には設計していませんので、特定の用途にしか使えないということはありませんのでご安心ください。

お使いのマイクプリアンプがトランスレス入力なら機種①、トランス入力なら機種②の方が良いかもしれません。

あとは今トランスレス出力のマイクをお持ちなら機種①、トランス出力のマイクをお持ちなら機種②を選ぶというのも表現の幅が広がっておもしろいと思います。

トランスとFETとトランジスター

カプセルの直径

φ32mmです。

U87Aiが確かφ34mmなので、それより少し小さいくらいですが、
U87Aiのカプセルは有効振動面積が小さいので、
実質はU87Aiより少し大きいはずです。

そして1インチのカプセルであるC414やAT4050などの約1.26倍の大きさです。
面積で考えると約58%も増えることになります。
ラージダイヤフラムと呼ばれるマイクの中でも大きめと言えるかと思います。

カプセルが大きいとS/Nを高くできたり、低域を伸ばせたりするメリットがあります。

カプセルの外観

指向性(ポーラパターン)

指向性は2機種ともカーディオイドにしました。
需要の多さと性能のバランスの良さを考慮して、
まずはカーディオイドで出すべきかなと

可変指向性(マルチパターン)にするとデメリットも色々とあるので、
カーディオイド固定です。
横浜マイクロホン最初のコンデンサーマイクとなるので、
最大限の性能を出すことを優先しました。

ちなみに今、世界で販売されているワイヤードマイク約1500機種を調べたところ、46%がカーディオイドでした。


指向性はカーディオイドを採用


カーディオイドが約46%も占める

サイドスクリーン横の柱が斜めな理由

これはダイヤフラムに対して並行な面をできるだけ排除したかったからです。
カプセルのケース前面が曲面なことやカプセルのホルダー部品が薄肉であることも同じ理由からです。

ダイヤフラムに対して平行な面があるとぶつかった音波がそのまま真っ直ぐ反射して戻り、次に来た音波と干渉し合い、高域の周波数応答が乱れてしまいます。
本当は円柱状の柱にしたり、エッジのRをギリギリまで大きくしたりしたいのですが、それだと作れないので現実的なところに落ち着かせています。

加工の時間がかかったり、コストが上がったりはしてしまうのですが、できるだけRをつけたり曲面にしたりテーパーをつけたりして、音波にとって優しい形状を心掛けています。
これはsakuraやmomijiなど今まで作ったダイナミックも全てそう設計してあります。

ちなみに柱が斜めに4本なのは、三角形で支えた方が強度を上げられそうという理由と、いつか出すかもしれない別機種のとある理由からです。 (その話はまたいつか…。)

横の柱は斜めに左右各2本

天面の形状

天面に穴を開けなかった理由は5つあります。

①マイクに対してどの方向から音を入れるべきか、できるだけわかりやすいようにするため。(前後についてはロゴ位置で対応。)

②内部での反射を考慮して、カプセルから見た下方向と上方向の構造をできるだけ対称にしたかったため。

③振動を考慮して、下からの保持だけでなく上からも保持したかったため。

④穴を開けると部品が1つ余計に増えて売価が無駄に上がってしまうため。

⑤天面の強度が上げられるため。 他にも細々した理由は2〜3個あるのですが、影響が大きなところではこの5つです。

もちろんこの形状が決して正解というわけではなくて、あくまでも私の設計思想から自然とできあがってきた1つの形でしかないです。

天面は閉じてます

マイクの外形寸法や質量

外形寸法はφ68×200mmです。
質量は作ってみないと正確な値はわからないのですが、
恐らく550~600gくらいになる計算です。

外形寸法図

ショックマウント

ショックマウントはRycote製のものを同梱予定です。
オリジナルのショックマウントを設計するという選択肢もあったのですが、コストがかなり増えてしまうので売価が当然上がりますし、専用ショックマウントだとユーザー的には嬉しくないかなと思い、餅は餅屋ということでRycoteさんのInVision USM-VBを採用しました。

従来のよくあるショックマウントは振動吸収部品がゴム紐ですが、InVisionの振動吸収部品は熱可塑性エラストマーという、強度も柔軟性も兼ね備えた材質でできています。
ゴムほど柔らかくはないが、プラスチックほど硬くもないというおもしろい材質です。
なので「経年劣化でゴム紐が伸びてたるんでしまった…」ということが起きません。
快適に末永くご使用いただけるはずです。

マイクにショックマウントをつけた状態
ショックマウント

ポーチ

サイドアドレスコンデンサーマイクやショックマウントが入るサイズのポーチを用意しました。(sakuraなどに付属しているポーチの約2倍の大きさとなっています。)
コンデンサーマイクなのでデシケーター(防湿庫)に入れて保管する方々も多いと思われますし、逆にスタンドに設置しっぱなしで外さないという方々も案外いるかなと思います。
そういった方々にとっては恐らくポーチは不要だと思いますが、念の為ポーチはデフォルトで2個付属とする予定です。

コンデンサーマイクが入るポーチ
同じサイズでショックマウントも入ります

2ndロット以降の台数や納期

2ndロット以降も台数は2機種合計して20台予定です。
2ndロットは最短で2025年5月頃になるかと思います。

ただし1stロットが売れ残ったり、
売り切れるまでに何ヵ月もかかってしまうと、
2ndロットの材料が手配できないので、
2ndロット以降の生産はできません。



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