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はじめに

マイクは音波を機械振動に変え、
更にそれを電気信号に変える変換器です。
入力される音波は目には見えないものですし、
出力される電気信号も目には見えないものなので、
マイクというのは、とてもわかりづらい製品です。

そのせいか、マイクに興味がある人は少なく、
マイクについて勉強する機会や教材も少ないので、
間違った知識が伝聞で広まってしまっていたりもよくします。
あとは原理を基にした使い方ではなく、
勘や経験を基にした使い方に偏ってしまっていたりとか。
(日本では特にその傾向が強いと感じます。)

間違った知識を指摘するのはキリがありませんし、
原理より勘や経験が勝ることもあるでしょうし、
そもそも私が持っている知識が正しいとも限りません。
皆が『議論』を前提に話せば、
「どうしたらもっと良くなるか?」という目的の元、
お互いに勉強ができますが、
『討論』をしたいだけの人が話せば、
単に「どちらが正しいのか?」というのが目的になってしまい、
何も新しいものは生まれないと思っています。

もちろん全員がマイクの知識を完璧に持つ必要もないですが、
原理を理解した上でマイクをどう使うかを考えられると、
録れる音が違うというのもまた真実です。
また、使われる環境を理解した上でマイクを設計すると、
良いマイクが作れるというのも真実です。
なので情報を共有することは大切だと思っています。

なるべく原理など普遍的な情報を書いていきますが、
個人的な設計思想も織り交ぜて書くことが多々あると思います。
設計思想はメーカーごとに異なっていて、
同じメーカー内でも設計者ごとに若干異なっていたりします。
なので、あくまでも考え方の1つとして参考にしてもらえれば幸いです。
前提条件が違えば正解も違うと思っています。

私がマイクの原理的な知識を共有することで、
新しい音がどこかで生まれるきっかけになれば嬉しいです。

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