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デンマーク体験記 vol.1

vol.1とか言いながら、2月にDenmarkはCopenhagenに来てから早くも半年が経った。
海外生活半年というのは個人的に一つの大台だったので少し感慨深い。
しかしまぁこの2月から8月という日々は、日を追うごとに陽が長くなり、花が咲き、蝶が舞い、窓を開ければコバエやクモが侵入してくるし、川沿いを歩けば水着のにーちゃんねーちゃんが日光浴をしている最高の季節。
いわば、イージーモードだった訳だ。
ここから、日照時間がほとんどないベリーハードの冬がやってくるのを実は結構ビビっていたりする。

それはさておき、
今回デンマークに来たことで、同じデンマークや北欧界隈に仕事や留学、両行で来ていたり、結婚して移住している日本人の様子をたくさん拝読させてもらった。
その中で、せっかくなので自分が読んだNoteやブログの中ではあまり出てこなかった、自分視点での気付きや体験を残してみようと思う。
もちろん完全に被りがないわけではないし、デンマークという国やその人々に「キミたちってこうだよね?こういう感じだよね?」と確証を取ったわけではない。
あくまで半径1.5mくらいの、私が手を伸ばして届く範囲で表面的に観測したデンマーク(ないしはコペンハーゲン)の観測だということは承知の上で読んでいただけたらと思う。
実際は違うよ!というコメントも大歓迎。


1. デンマーク人の話

1.1 優しい。とにかく優しい。

デンマーク人は優しい。(3回目)
デンマーク人と密に関わっている訳ではないが、街行く人すら優しい。
赴任直後一番感じたのは、英語を話すのをすごく待ってくれる。
店員さんが私の拙い英語を待って、汲み取ってくれる。

次に、役所の人が丁寧。
目も合わさないで書類を投げてアゴで指示出されることは絶対ない。
なのでビビらないでお役所に行くことができる。

そして、特に子供に優しい。
子供を叱っている親なんて外で見たことない。
おもちゃ屋を離れたくなくて泣いてる子供はいるけど、それに対して「もう置いて帰るよ!」なんて人はいない。
電車に乗ればベビーカーのためのスペースをノールックで空けてくれるし、エレベータ乗れなそうなときに代わりに降りてくれることもあるし、駅のエスカレータが止まってれば一緒に階段でベビーカーを運んでくれる。
子供好きな人も多いようで、優しい眼差しをよく見るし、手振ってくれたり「She is so cute…」なんて何回言われたことか。
ここまで来ると優しいという表現よりも、懐が深いの方がしっくりくる。
人生に対する余裕すら感じる。
これが高福祉の結果だとしたら凄すぎないか…?

1.2 意外と電話好き

デンマーク人は電話好きが多いかもしれない。
メールで問い合わせしてるとすぐ電話掛かってくる。
マンションの大家、仲介業者、空港の職員、DHL、GLS(ヤマトや佐川みたいなの)、保育園のスタッフ、みんな電話掛けてくる。
「ひぇ!また知らない番号からだ!」と何度もなる。
さらに、相手は開口一番デンマーク語でベラベラベラ~と喋るから、「ゴメン…デンマーク語わからないんだ。英語で頼む。」という一連の流れを毎回やることになる。
もうご愛敬。
日本語ですら知らない番号からの電話得意じゃないのに、いわんや100%外国語においてをや。
そもそも結構緊張するし、聞き逃しが怖いからあとで要約したメール送ってくれってホント思う。
でもなんとか今のところ生き残ってる。

1.3 店員さんが若い

最年少は「え、キミ小学生!?夏休みの課題でお店手伝ってるとかそういう感じ!?」みたいなのにも出くわしたことがある。
その子は品出しだったけど。
マクドナルドやケンタッキーやバーガーキングみたいなファーストフードは、カウンターはほぼほぼ学生で回ってる気がする。
セブンイレブンとかもそうかも。
なので、たまにオペレーションがすごく遅い方とかもいらっしゃるし、注文間違えたりもするんだけど、客側は全然怒らない。
「俺も/私もあんな時代があったわー」とか思うのかしらん。
こういうところで自分の親世代の人が働いているのは見たことがない。
日本のように、40~60代の人でもレジ打ってるのって実はかなり特殊なのかもしれない。

2. インフラの話

2.1 電線がない

そういえば、と思って空を見上げてみたら、コペンハーゲンには電柱も電線もなかった。
「ヨーロッパではこれが当たり前なのか…!?」なんて思ったけど、先日コペンハーゲンの隣町(?)オーデンセに行ってみたら、バリバリ電線通ってた。
コペンハーゲンが洗練されているだけだった。

でも、電線はないんだけど、ビルとビルや交差点の上にぶら下がる街灯を結構見かける。

よく見ると電線というか、ライトを吊ってるだけ

2.2 公園がたくさん

公園が多い。
駅前に普通に公園があるし、マンションは大体コの字型をしていて、中庭に砂場や滑り台がある遊び場が併設されているところが凄く多い。
上に書いた、子供に優しいだけじゃなく子育て世帯にも優しかった。

公園の中にBBQスペースのような肉焼けるところや飲み食いしていいスペースがあるのも面白い。
なので、公園が子供だけのものではなく大人が楽しむ場所でもあるのも良い。

一つだけ注意するとすると、すべり台の角度が結構急。
「大人でもちょっと怖いよ?」という気持ち急な滑り台が結構多い。
そんな滑り台を子供たちはビュンビュン滑ってるから結構凄い。
「あんなちっちゃい子なのによく転ばないで立てるなー」と感心することもしばしば。

2.3 街は綺麗なようで汚いけどやっぱり綺麗

街の至る所にゴミ箱がある。
信号から信号まで歩く間に3つくらい見つけることができるかもしれない。
それくらいゴミ箱があるので、比較的皆ゴミをゴミ箱にちゃんと捨てている。
でもでも、よーくよーーーく見ると実は汚い。
特に、犬のうんこ。
「コペンハーゲンって公園多いし、街の中にも緑があふれててステキ!!」
と思いきや、緑の下には結構犬のうんこが隠れている。
ホント気を付けた方がいい。
川が近かったりすると、鴨やカモメもやってるのでさらに注意が必要。

国民性なのか知らないが、デンマーク人結構花火が好き。
New Yearイベントではあらゆるところで花火が打たれると聞く。
そして公園のいたるところで、手持ち花火の蓋?を見つけることができる。

一番悪いのは、割れた酒瓶。
中心街や中央駅付近はヨーロッパのどの都市でも若干治安は悪いが、例に漏れずコペンハーゲンも同じだった。
週末ともなれば割れた酒瓶をあちこちで見かける。
自転車大国を名乗っているのに、この有様なのでパンクの危険性と隣り合わせ。
それでも清掃車が来てちゃーんと一掃してくれるので、結果的にはなんだかんだやっぱり綺麗な街だったりする。

2.4 とりあえずDIY

この話については、完全に個別エントリを書きたいのだが、DIYがすごい。
我々日本人がいかに完成された家に住まわされていたかがよくわかる。
入居時一番驚いたのが、家には照明がなかった。

『カーテンがない』というのは一人暮らしをしたことがある人は知っていると思うが、『入居時にカーテンを買わなくてはならない』だけでなくデンマークにはカーテンレールもなかった。
すごい。


3. 文化・慣習の話

3.1 日付と数字

日付に関しては国が違えばよくある話。
日本式の年→月→日とは書かないで、デンマークは日→月→年の順に書くのが一般的。
まぁこれは慣れればわかるからいい。
しかし、数字に関してはグローバルスタンダードからズレているので、めちゃくちゃやりづらい。
『1000』を小数点第2位まで含めて表そうと思ったとき、日本では『1,000.00』と書くのが一般的。
デンマーク式では『1.000,00』となる。
そう、カンマとドットの位置が逆なのだ。
これ、何が困るかというとエクセルが最悪。
デンマークの銀行からExportしたCSVファイルをエクセルに食わせるなんてしたらもう地獄。
エクセルさんは的には、「カンマは1000桁区切りだよね!」と思っちゃうし、「ドットは小数点だよね~」と思っちゃう訳だからもうグッチャグチャ。
1,000 DKK計上しようとしたのに表記は1.000,00DKKだから、セル上は1 DKKになっちゃうからね。
これはホント正気の沙汰じゃない。

3.2 住所の書き方

住居探しをしていた早めの段階で面白いなーと思ったのだが、
住所、特にアパートの部屋を番号ではなく入口に対する位置で表すのだ。

th→右、tv→左、mf→真ん中
mfのmはなんとなくmidleっぽいから覚えやすいけど、thとtvはどっちがどっちだか覚えられない。
ちなみに0階(グランドフロア)のことは、数字でなくst.(stuenの略)と書くみたい。

3.3 スポーツの話

サッカーが盛ん。
子供たちは大体サッカーしてる。
バスケも人気があるかもしれない。
ハンドボールはめちゃくちゃ強いらしい。
その一方、実は野球はない。
野球場を見たことがないし、キャッチボールしている人たちすら見ない。
そんなものは存在しないかのように扱われている。
もしかしてこれはヨーロッパ全土か?
ベースボールしてるのはアジアとアメリカだけ??

3.4 自転車のルール

自転車大国なので道路整備に加えて、ルールもしっかり定まっている。
ヘルメットは任意だが、ライトがマスト。
フロントのライトと、テールの赤ライトを付けていないとNGらしい。

日本だとライトに対しては比較的鈍感だが、デンマークだと日中もつけっぱなし推奨のように感じる。
しかも、これが自転車だけでなく、車も常時ライトを付けているよう。
面白い。
こんなにライト付けてる習慣があるにも関わらず、家の中暗いからよくわからん。
電気付けようや。

法整備はされていても、意外と逆走してくるやつはいるので注意。

3.4 路上生活者

高福祉国家なので、ホームレスは少ないのだが、一定数はいる。
ヨーロッパでよく見る座った前に缶などを置いておくスタイルではなく、IKEAなどの大袋にペットボトルや酒瓶を入れてくれとせがむ。

デンマークではペットボトルや瓶にはデポジットが付いていて、所定の場所に返却すると1kr~2krくらいの割引券が貰えるのだ。
なので、食べるに困る人はこのペットボトルや瓶を集めてコンビニで割引券化し、食料を購入できるという訳。

実利だしマネーロンダリングが少なそうでとてもいいと思う。

3.5 小食?

デンマーク人、男性の平均身長が180cmを超えるのでめちゃくちゃガタイよく見えるのだが…
街中のカフェやバーやレストランなどで食事が終わった後の皿を見ると、大量の食べ残しがあるのをよく見かける。
「え?これどこ食べたの?」
とか、
「え?これ全員で1皿頼めばよかったんじゃないの!?」
みたいな気持ちになることが多々ある。

忍術学園の食堂のおばちゃんいたらキレる。
ありえんキレるくらい食べ残す。
ただ、これはコペンハーゲンの首都ど真ん中で起きていることなので、ローカルデンマーク人ではなく観光ヨーロピアンの可能性も多分にある。
なので知りたい。
デンマーク人、実際どうなの?

4. その他

4.1 車が早い

デザイン(≠意匠、≒システム)に関する文脈の何かの記事で、デンマークでは速度違反の対策として、速度違反の罰金を速度違反しなかった人達がロト的にもらえる、という制度設計をした、というような話を読んだ。
正直者が得をする嬉しいシステムだ。
実際デンマークの車の速度が早いことはたまに感じる。
その中でもとりわけパトカーと救急車は早い。
圧倒的。
目測、100km/h出てるんじゃないか?と思う。
遠くから音が聞こえてくると走っていた車はスーッと脇に寄せて、道路の真ん中を青ランプの車が高速で駆け抜けていくのだ。
かっこいい!



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