マガジンのカバー画像

紗希の超短編集 1

96
今が2020年なので、私が小説を書き始めて2年を過ぎました。私は家族、家庭としては壊れている家に生まれ育ちました。 初期の作品は、どれも子供の頃の私の気持ちが反映されていて、かな…
運営しているクリエイター

#短編小説

向日葵や桜や

公園の樹々があちこちで、芽吹いてきた。今日は北風で寒い日だったけど、今年も春は、耳を澄ま…

紗希
2年前
61

乗り越える時まで

学校に通っていた。 簿記を習うために。社会人1年目の私は、会社の仕事が、右も左も判らない。…

紗希
2か月前
12

氷花

このところ、雨の降る音が聴こえない日はない。雨音は、ぐっすりと眠らせてくれた。以前はーー…

紗希
2年前
28

傘が全く役に立たない。それどころか自分が飛ばされそうな強風。雨は横なぐりに降るから目を開…

紗希
3年前
40

青い欠片(かけら)

「十番館パフェやっぱり美味しい」私がそう云うと、向かいに座っている香奈は、ある物をヒラヒ…

紗希
3年前
27

サンクチュアリ・聖域

朝5時僕は日課のウォーキングに出発する。妻の純子はまだ夢の中だ。祖父母の残した古い平屋の…

紗希
2年前
24

 幽捨 (ゆうしゃ)

朝おきて直ぐにテレビをつける。ニュースを見るためだ。「まただ」このところ、毎朝どこかの電車が遅れてる。俺はため息をつく。しかし開き直るのも早い。遅刻確定なのだ。焦っても仕方ない。コーヒーを飲みトーストを食べる。いつもは何も食べないが、わざとゆったりと朝メシを食う。駅に着くと案の定、人、人、人で、ごった返している。コイツらを全員、履いて捨てたら気分がいいだろうなと思う。電車が着いたがぎゅうぎゅう詰めで俺のところまで乗車資格は、まわってこなかった。それから20分後に次の電車が来た

父の一番幸せな日

「パパはお風呂に入るけど一緒に入る人は手を上げて」「はい!」小4の彩が手を上げた。「よし…

紗希
1年前
35

預かり物

学校から帰った賢一は、玄関で靴を脱ぐと部屋に行く為、廊下を歩いていた。 途中、開いてる襖…

紗希
1年前
23

BLUE

マンションを探していた時、不動産屋さんに紹介された一つが、ここだった。時刻はお昼過ぎ。何…

紗希
2年前
41

龍神さんに、任せればいい 2

は、は、は、はああ〜「くしゃみが途中で止まるのって、気持ち悪いよね」小林悠子がクスクス笑…

紗希
1年前
23

ロマンティック美・ハゲ

貴方と暮らし始めて半年が経つ。私が仕事から帰ると、貴方はいつもテーブルでパソコンと向き合…

紗希
4年前
133

ウォータークラウン

 ねぇ秀夫、私にウォータークラウンを プレゼントして欲しい。 子供の頃からずっと夢見てる…

紗希
2年前
70

一番、爽やかなモヒート

「おはよう、知輝」「おはよう、姉貴、あれ、もうシャワー浴びてきたんだ。さてはデートだな」「へへ〜ん。知輝には彼女はいないの?高2なら、彼氏や彼女くらい居るんもんじゃないの?」「俺の顔を見ると、いつも同じ話しだな。俺にだってやりたい事があるんだよ」 「何よ、やりたい事って」「免許」「免許?なにかの資格でも取るの?」「運転免許証だよ」「それは18になってからの話しでしょう?」「誕生日の2ヶ月前から教習所には入れるんだよ。仮免とかは18まで受けられないけどね」 「へえ!知らなか