[童話]コッペパンと金貨
「おじさん、僕は苺ジャムとマーガリンね」「俺は小倉とマーガリンだよ」「はいよ」ボクは半ズボンのポケットに手を入れて、小銭を出し掌の上で数え、ため息をつく。「そこの僕は何を塗る?」おじさんに、そう聞かれて、「ボクはパンだけでいい」と答えた。みんなは、それぞれのコッペパンをムシャムシャと食べている。おじさんは、黙ってボクを見て、ピーナッツクリームが入った瓶に、ナイフのような物を入れ、クリームをすくい出した。ボクは何をしているのかと、それを見ていた。「はいよ、ピーナッツクリーム」そ