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暦の思い出と暮らす日々

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きわめて個人的な暦のはなし
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2021年3月の記事一覧

東風吹かば匂ひおこせよ梅の花(暦のはなし・3月)

東風吹かば匂ひおこせよ梅の花(暦のはなし・3月)

 暖かい日が増え、だんだんと春めいてくる3月。虫たちが土からひょっこり顔を出す啓蟄(けいちつ)から、昼夜の長さがほぼ同じになる春分(しゅんぶん)へと季節が進み、陽が長くなっていきます。

 春といえば桜ですが、春のはじまりに咲く梅の花も良いものです。そう感じるようになったのは、この歌を知って以来かもしれません。
「東風吹かば匂ひおこせよ梅の花あるじなしとて春を忘るな」

 千年よりも昔、京都の北野

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きっと、うまくいく(暦のはなし・2月)

きっと、うまくいく(暦のはなし・2月)

 まだまだ寒い日が続きますが、暦の上ではもう春のはじまり、立春(りっしゅん)です。立春に入ってからはじめて吹く南からの強い風が春一番。そして2月半ば頃を過ぎると、雪が雨に変わる雨水(うすい)へと季節が進みます。

 この時期は受験シーズンでもありますね。電車で英単語帳を熱心に読んでいる高校生を見かけると、自分の受験生時代を思い出してしまいます。センター試験の当日、雪道を絶対に「すべらない」ように慎

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